内容説明
上下が逆さまに見える視覚障害、左利き、出生時の奇妙な現象…殺人鬼たちに共通するそれらは同じ方向を指し示しているように見えた。事件を追うリューシーとシャルコは奇妙な迷宮へと踏み込んでゆく。連続殺人への凶暴な衝動は、どこから生み出されるのか?それは遙かな過去、人類のルーツにもかかわる秘密なのだろうか?フランス・ミステリきっての鬼才が圧倒的な筆力と壮大なスケールで描きあげた、超大型サスペンス。
著者等紹介
ティリエ,フランク[ティリエ,フランク] [Thilliez,Franck]
1973年フランス東部アヌシーの生まれ。IT業界で働くかたわら執筆を行なう。2004年にフランク・シャルコ警視を主人公にした『タルタロスの審問官』を発表して注目を集め、2005年にはリューシー・エヌベルを初登場させた『死者の部屋』でフランス国鉄ミステリ大賞(Prix du polar SNCF)を受賞した。北フランスのパ=ド=カレー在住
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生、早稲田大学文学部卒。中央大学大学院修了。フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Dai(ダイ)
12
とてつもなく壮大な話になりかかったのだが、あっさりと終わってしまい残念。もう二転三転あっても良さそうな流れだったが。2021/02/05
ボーダレス
12
GATACA…ガタカ、一見 意味不明なタイトルだが人ゲノムの配列を表している。リューシー&シャルコ刑事シリーズ5作目の本作は加害者である犯人の脳の異常がフォーカスされている。遡ること約三万年前のクロマニョン人に端を発し、暴力活動の内在性はDNAにあった。レトロウィルスと呼ばれる遺伝子学を元に作り上げられた犯人たちは殺人マシーンだったのだ。暴力というテーマの根幹を医科学的アプローチから紐解いていて人類学や生物学を扱った興味深いエンタメ本だった。これを読まずして、ティリエを語るべからず。2020/05/04
k.kishida
4
他の方も書かれてますが、これは最初から映像化することを意識して書かれてるような気がしました。B級SFミステリーですが、休日にさらっと読むには適した一冊かもしれません。2017/03/19
わたなべよしお
4
まぁ、シャルコさん、そんなにはみ出さないで、という感じもするが、今回もなかなか良かった。誘拐された双子については、途中で、ちょっと驚かされた。ティリエさんは、ややおどろおどろしい手を見せるんだけど、基本的には真っ当なポリス・ストーリーだと思います。2013/06/08
Schunag
4
一気読み! 止められませんでした。前作『シンドロームE』でメジャー方向に舵を切ったティリエ、メジャー感と本来の不吉な恐ろしさがこの作品では見事に融合しています。2013/05/27