出版社内容情報
凄腕の殺し屋コーガンが、賭博場強盗事件の黒幕を暴くために送りこまれてきた。壮絶な暴力と死の嵐の最後に待つものは? 伝説の巨匠の未知の傑作が、ついにベールを脱ぐ。
内容説明
やつらが企んだのは、賭場を襲ってがっぽりって強盗だ。もちろん普通ならイタリア系の連中が黙っちゃいないよ。けど、その賭場を仕切ってる野郎、前に狂言強盗を仕組んだことがあるんだ。わかるか?今度も、野郎またやりやがったってことになって、こっちは無事って仕組みさ。けどな、よりにもよってコーガンっていうスゴ腕が乗り込んできちまった。まあ無事じゃすまないよ…伝説の著者が放つ傑作クライム・ノヴェル。
著者等紹介
ヒギンズ,ジョージ・V.[ヒギンズ,ジョージV.][Higgins,George V.]
1939年マサチューセッツ州ブロックトン生まれ。元ボストン地方検事。1972年、在職中に発表したデビュー作『エディ・コイルの友人たち』で脚光を浴びる。その後専業作家に転じ25冊の長篇作品を発表した。1999年に死去
真崎義博[マサキヨシヒロ]
1947年生、明治大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
45
ガーディアン紙の1000冊の『エディ・コールの友人たち』と同じ作家のこの作品を手に取る。リアルでつかみどころがない、与太話で語られる会話劇は、妖しく想像力を掻き立てるのだが曖昧な部分が多い。人称代名詞が連発する嘘か本当か分からない発言は、リアルすぎで脱線しているのか非常にわかりづらい。そういうリアルさを表現するのは大したものだ。『エディ・コールの……』は入手困難だがこの本で用が足りる。映画タランティーノ作品のリアルな会話の元ネタはこの作家だとわかる。この映画は未見、ブラピの役は端役のはずだがなあ……2016/01/09
Porco
14
アメリカのマフィアの会話劇2020/07/21
sibafu
6
原作の『Cogan's Trade』は73年刊行でブラピ主演の映画が2012年に公開。一度目に映画を見た時、どうやったらこんなつまらない映画を作れるんだ?と呆れた。と同時に、意味ありげに背景にBGM的に流れるオバマの演説の音声や映像が、鑑賞後もずっと引っかかり続けていた。73年以前に書かれた小説だから当然だけど、原作にはオバマもそうだし他の誰か政治家の演説もなく、直接的な政治的描写はゼロ。でも映画の監督や製作にも関わっているブラピは、小説で描かれるギャングたちの騒動を経済や政治の暗喩として解釈して作った。2016/02/20
イシザル
3
この「小話」を丸暗記したら、潜入捜査官になれそうだ。あと マーロンブランド並の最高に自然な演技と、あたかもそこにいるように細部を想像し暗記する。バレそうになったらしゃべり続ける。しゃべってしゃべってしゃべる2016/12/01
hikarunoir
3
与太話で全て物語られる妙、そして逸脱の妙。しかも映画は原作を案外忠実に踏襲してるのも分かる。シンプルでも飽きない犯罪始末。2015/05/14