内容説明
夫の不倫で険悪になった夫婦関係を修復しようと、かつてハネムーンで訪れたローガンビーチに別荘を借りたクーパー夫妻。だが妻のエレンはその家にただならぬものを感じる。いっぽう夫のデイヴィッドは、エレンの外出中に突然訪ねて来た若い美女マリアンナと知り合いになった。あからさまに誘惑するマリアンナに魅かれるデイヴィッド。だが近くに住む老婦人の話がすべてを一変させた…巨匠が描く、本格ゴースト・ホラー。
著者等紹介
マシスン,リチャード[マシスン,リチャード][Matheson,Richard]
1926年ニュージャージー州生まれ。第二次世界大戦には少年兵として従軍。1950年にホラー短篇「男と女から生まれたもの」で作家デビュー。1953年には長篇デビューをはたした。SF、ミステリ、ホラー等幅広いジャンルで数多くの傑作を発表。また脚本家としても知られ、「ミステリーゾーン」など人気TV番組や劇場映画でも活躍した。息子のクリスチャンも作家として成功し、親子の合作作品もある
尾之上浩司[オノウエコウジ]
英米文学翻訳家、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
76
トワイライトゾーンや激突!の原作者マシスンによるモダンホラー長編小説。エロス描写を交えながら色情霊と化した女の魂とコンタクトするうち精神的な命懸けの戦いが始まる、という流れが面白い。WPブラッディのエクソシストなどもモチーフにしているらしく空間的な状況もわかりやすく描かれている。世代的に古臭いシチュエーションという評価が多いのはタモリの世にも奇妙な物語などの安物ホラーによる食傷といった影響ではないでしょうか。少なくとも小説として楽しめました。2022/01/16
HANA
8
原題と後ろの粗筋だけで大体の話がわかってしまった。マシスン作品と館物ということで、どうしても傑作「地獄の家」と引き比べてしまう。あれに比べると大概の館ホラーが見劣りしてしまうんだよなあ。残念だけどこれもその例に漏れず。話は変わるけどこの別荘に住んでみたいんですが、どこに問い合わせればいいんですかね。2010/12/06
キャッスルロック
6
こりゃ地縛霊というより色情霊だな。思ったより怖くないし、正直あまり面白くなかったが、コメディ展開で描けば面白く読めたんじゃないかな。2020/09/18
ジョニー
4
ホラー感がまったくない。中年のおじさんが女幽霊とリアルなエッチをして反省する話。地縛霊ではなくて淫霊だな。ホラー大賞に応募したら絶対に落選しそう。マシスンらしからぬ駄作でした。2017/11/30
すけきよ
4
ホラー巨匠によるパラノーマル・ロマンス(笑)背後に潜む怪奇現象、超常現象と常識との溝にはまって、身動きできなくなっていくといったホラーの定石は薄い。その代わり、登場人物全員が何かに縛られているという束縛感がある。幽霊ではない呪縛を解くことによって、人生の次のステップが踏めるのだ。2010/12/05