内容説明
心の平静を求め、シエラネヴァダ山脈にある修道院に滞在していたオッド・トーマスは、12月の深夜、ボダッハ“悪霊”を発見した。ボダッハの出現は大惨事が起きる前触れとなるため、彼は調査を始める。だが修道士がひとり忽然と消え、さらに顔のない修道士や想像を絶する怪物が現われる。猛吹雪の中、修道院で暮らす子どもたちを守ろうと闘うオッドの前に、やがて驚くべき真相が!謎とサスペンスに満ちたシリーズ最高傑作。
著者等紹介
クーンツ,ディーン[クーンツ,ディーン][Koontz,Dean]
1945年ペンシルヴェニア州に生まれる。子供のころから小説を書き始め、大学を卒業後、教師をしながら小説家をめざした。1968年、長篇第一作となるSF、Star Questを出版。以後、SF、ゴシック・ロマンス、サスペンス小説などをさまざまなペンネームで次々と書き上げた。ベストセラー小説を続々と生み出している
中原裕子[ナカハラユウコ]
東京生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
32
舞台設定は、まさにゴシックホラー。一人称の語り口は私に合う…読みやすい。が、ラストのドタバタは盛り上がったものの、中盤の語りが冗漫過ぎて、マスコミの賞賛ほどに楽しめなかった。作者が深く帰依するカソリック。チェスタトンを敬愛していると解説にあるが、それとこの作品に冠がつくモダンアートホラーが上手く結びつけられない。シリーズ1、2を読んだ上でトーマスの世界を再認識したい。それにしても死後の世界のプレスリー、フランク・シナトラが傍らにいて微笑んでいるホラーは初めて☆2015/08/10
昼夜
19
お馴染みな彼の旅立ちが嬉しいけど淋しい。オッドが次は何に巻き込まれてしまうのかが気になるだけに今回のようにならないのを祈るばかりです。2011/05/17
miroku
15
ユーモラスで優しいオッドは、少しだけ心が楽になってきたようだ。でも、1・2巻のような感動はない。う~ん、単なるヒーローものになってゆくのだろうか?2012/08/30
Tetchy
15
クーンツお得意のモンスターパニック小説の趣が強い。特に人間に寄生して生まれる骨の化け物はエイリアンを想起させた。ファンタジー的な約束事を前提にした物語を紡ぎながら、ミステリ的サプライズも用意しているという非常に贅沢な作品になっている。よくよく考えると舞台設定も本格ミステリでは王道とされる「嵐の山荘」だ。しかしこの真相はやはり中立的に見てもバカミスだろう。また広大な修道院を舞台にするならば、やはり見取り図が欲しかった。これはやはり出版社の怠慢だろう。ミステリを専門に出版する会社なのに。2010/05/29
魔魔男爵
9
物語より文学に傾いたオッドな語り口を楽しむ小説だが、往年のB級ホラーぽい化け物も登場し、クーンツはこうでなくちゃと惚れ直しました。量子力学を研究して神を発見した科学者が神の能力、生命創造を会得してしまう。思うだけで、無から質量を持った怪物が顕現する!怪物創造のエネルギーは原発から引っ張ってくるSFでもありますw。文学なんだから落ちのショボさは気にするな。魅力的なオッドの語り口を楽しめ!2010/07/30