内容説明
18世紀末、革命の混乱に揺れるフランスに彗星のごとく登場したナポレオン。彼は外国との戦争に勝つことがフランスを救うと説くが、兵員不足の解決が急務とされた。そこで生まれたのが囚人部隊だった。服役中の元貴族の青年ローザールもその部隊の一員となる。やがて彼はならず者たちとともに苛烈な戦場へ向かうが…希代の英雄ナポレオンの下、勝利の一翼を担う囚人竜騎兵の活躍を描いた大型歴史冒険シリーズ、第1弾。
著者等紹介
ハワード,リチャード[Howard,Richard]
1958年イングランド南東部、ハートフォードシャーに生まれる。ハヤカワ文庫NV刊の『スラッグス』他のホラー作家として知られるショーン・ハトスンがその正体。リチャード・ハワードは本シリーズのためのペンネームとして考えられた。ホラー作家として活躍する以前には、第二次大戦を舞台にした戦争小説をこれも別のペンネームで発表していた。本シリーズは、著者が人間ナポレオン・ボナパルトとその時代の戦争に、長年抱きつづけてきた興味の結実といえる
佐和誠[サワマコト]
1928年生、青山学院大学英文科卒、英米文学翻訳家。訳書に『脱出航路』ヒギンズ、『ウィルス・ゾーン』ゴリチェク、『闇に横たわれ』フェスパーマン、『U-571』コリンズ(以上早川書房刊)他多数
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感想・レビュー
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連雀
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欧米では大人気のナポレオン戦争物も、日本にはほとんど入ってこず、訳出されるのもわずかにすぎず実に残念なのです。英国海軍物はいくらか出てますが、フランス騎兵物となればコナン・ドイルの「ジェラール准将」くらいしかないので、このシリーズは実に貴重・・・ですが二巻までしか出ませんでしたけどね。映画「レ・ミゼラブル」を見た影響で久々に読み返したくなって読みましたが、やっぱり面白い。2013/04/10
彩也
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ナポレオン戦争を題材にしたイギリスの歴史モノには、海軍の「ホーンブロワー」「マスター&コマンダー」、陸軍で「シャープ」などがシリーズであるが、これはフランス側を書いたもの(著者はイギリス人)。主人公は元貴族の青年・ローザール。彼は家族をギロチンで失い、投獄されていたが、囚人を徴兵するという軍の方針によって、他の犯罪者と共に騎兵となってイタリアで戦うことになる。騎兵の戦闘は疾走感がある。補給が行き届かないフランス軍の困窮も凄い。ただ、翻訳の言葉が古くさいのは難点。2010/12/11