内容説明
イベリア半島を舞台にした英仏の戦いが続く1809年8月、遙かインド洋では戦局が急転していた。フランスが英国の通商路を断つ作戦を開始したのだ。これに対し英国は、仏領モーリシャス島の攻略を図り、それを支援するため、ボライソー提督は大型フリゲート艦で出帆する。だが、旗艦艦長はボライソーに激しい敵意を抱く男だった。しかも行く手には、英国軍に復讐の炎を燃やす仏提督の罠が。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
11
1809-1810年、リチャード・ボライソー海軍中将 53-54歳。旗艦・フリゲート艦ヴァルキリー号(42) いい女に巡りあったからもう引退したい、とボライソーがぼやき始めるのはこの頃からかな。新しい副官ジョージ・エイバリーはどんなやつかとちょっと興味が出ます。インド洋で内外の旧敵と戦う羽目になりますが、とんでもないことに巻き込まれたあの旧友トマス・ヘリックとは和解できるのか。2012/12/03
とらやん
3
ボライソーシリーズは、他の帆船物と比べ、メランコリックな感じが底辺に流れていて、僕は気に入っています。それが男達の物語にじわりと効い来て、なかなかいい感じなんです。でもシリーズも21巻になると、主人公が海軍中将になってしまい、話しの半分が陸の上になってしまって残念です。その分、人物に深みが出てくるんですが、やはり帆船物としては、艦長時代が一番面白かったですね。そしてこのシリーズの唯一の欠点である、主要人物をいとも簡単に殺してしまうと言う所も、相変わらず健在です。えーっ、そりゃないぜセニョールセニョリータ!2014/03/07