内容説明
イギリスで現金密輸を請負う一匹狼、コクラン。今回の仕事は、35万ポンドをスイスに運ぶというものだった。いつもの依頼人ではなく、しかも大陸縦断特急〈ラインゴルト〉を使えという。コクランは疑惑を抱くが、密輸業を公にすると脅され、仕事を引き受ける。だが彼は知らなかった、夢想だにしない罠に自分が落ちてしまったことを。氷雨降るヨーロッパを舞台に火花散る男の闘いを描く、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
35
現金の運び屋へと身をもち崩した男と、彼のもつ現金を狙うアブナイ奴が、ヨーロッパを股にかけて追跡劇を繰り広げるサスペンスです。冒頭からは、やさぐれ男が、ある事件をきっかけに再生する、そんな結末の匂いがプンプンです。かの国は、しくじりからの立ち直りを描いた作品がウケるんですね。本作品は、せっかく良い味(?)の悪党キャラを創り出しているのに、ハラハラ感がほとんどありません。主人公が魅力的ではないからでしょうか。ラストは予想通りではあるものの、締めくくり方は甘ったるいものになってしまいました。【エドガー賞】2019/11/21
ゾーンディフェンス
1
この著者の「さよならを言うには早すぎる」は、本格派一辺倒だった私にハードボイルドを開眼させてくれた本。しかし同一作者の他の作品をなかなか見つけられず、やっと見つけたのがこの本だった。しかし「さよならを~」にあった遊びの部分は無く、その点はちょっと期待外れ。でもこれがアメリカ探偵作家クラブ賞を受賞しているんだからわからないもんだ。そんな経歴のの作者にしては日本訳がこの2作品だけなのは謎。他にも作品を出しているのに何故でしょうねぇ。2019/02/09
藍兒堂
0
★★☆2019/02/04