内容説明
KGBの命を受けて破壊活動を繰り返すテロリスト、フランク・バリイ。彼の暗殺を決意した英国情報部は、その実行者にバリイのIRA時代の戦友ブロスナンを選ぶ。だが彼はフランスの警官射殺の罪により、絶海の孤島で終身刑に服していた。釈放を条件に暗殺を請け負わせるべく、情報部IRAを引退したリーアム・デヴリンにブロスナンの説得を依頼するが…。『鷲は舞い降りた』のデヴリンが再び活躍するヒギンズの傑作長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Voodoo Kami
8
J・ヒギンズを読むということは私にとっては guilty pleasure とも呼べるものです。ジョイスよりもU2よりも先にアイルランドへの興味を抱かせたのはヒギンズで、ブッシュミルズ飲みとなったのもヒギンズの影響です。サッチャー時代のエスピオナージである本書を再読すると、もうこれは中世の騎士道物語かと思うほど、現代との隔世感を覚えました。「テロリスト」という言葉に、今はもうひとかけらのロマンも持てなくなってしまっている現在、エリオットを誦する悪漢が活躍できるフィクションの場所はどこにあるのでしょうか。2017/12/01
おくちゃん
3
20年ぶりの再読。リーアムデブリンもマーティンブロスナンもフランクバリィもカッコいい。他のヒギンズの作品も再読したくなった。2018/11/04
やえもん
3
悪魔にハンデを与えてもいいような男だというフレーズに、ニヤッとする。危険な存在だと表現するときに使ってみたいと思いました。善玉も悪玉も、魅力的で、複雑で、どちらも真っ白でも、まっ黒でもないところが、作品の魅力だ。ヒギンズ万歳!2010/05/15
May
2
ヒギンズ、記念すべき10作目。記録のため登録1992/04/01
ハコ 108
2
中盤が若干ゆるい気がしたけれど、序盤と終盤のスピーディな展開はそれを帳消しにするくらい秀逸だった。傑作とまでは言えないけれど、読むには値する作品です。2019/02/21
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