内容説明
生物兵器の開発では世界の最先端を行くイギリスのモードン研究所。その実験室に何者かが侵入し、所員を殺害した上、恐るべきウイルス、サタン・バグを奪い去った。このウイルスは微量で全世界を破滅させることができる。これを防ぐワクチンは発見されていない。前警備部長のキャヴェルは内部の犯行と見て、調査を開始。だが不敵な犯人は、研究所を閉鎖しなければ、奪った生物兵器をロンドンで撤くと通告してきた。果たしてキャヴェルは残された時間で犯人の正体を暴き、惨事を阻止できるか?冒険小説の王者が忍び寄る生物兵器の恐怖を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
82
マクリーン中期の作品で作家として油が乗り、円熟期に当たる。当時の彼は作品を出せば映画化になるほど売れっ子だったようで、本書も原題の『サタン・バグ』の題名で映画化された。いやはや様々な仕掛けとどんでん返しを含んだ作品だった。主人公ピエール・キャヴェルの正体から始まり、サタン・バグの盗難とモードン研究所の爆破要求、そしてロンドンへのサタン・バグの散布に隠された本来の目的。この大仕掛けは今ならばJ・ディーヴァーが書きそうな題材だ。映像的でエンタテインメントに徹し、読後は1つのアクション映画大作を観た思いがした。2025/11/16
のんの
5
生物兵器の研究をしているイギリスのモードン研究所の実験室に何者かが侵入して、人類を簡単に滅亡させることができるウイルス、サタン・バグを奪い去った犯人を捜す話。容疑がある人間の話を聞いていく。犯人の目的はさ…まさかのコナンの映画版で見た話が思い浮かんだ。デジャヴだ。89年に書かれてこのオチは、読み終わるとすごい当時は斬新だったんじゃなかろうかと思った。2020/09/23
真波
4
夫に薦められて読んだが、これほど面白いとは……ビックリ。少しも古くならない筋立てと現代に通じる危機管理の危うさ。2023/05/12
雅
2
一流の冒険小説2017/04/29
ねんこさん
1
細菌兵器によるバイオテロの恐怖を描く…という作品だったけど、肝心のテロ部分よりも研究所から細菌を持ち出した犯人を推理する展開のほうが長くてやや疲れる。2010/09/03
-
- 和書
- DTP必携 (改訂版)




