感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
47
厳寒の海が舞台であればまたも過酷な環境と苦難の連続の航海が一行に待ち受けているだろうと想像するが、本書はそんな読者が抱く先入観を裏切り続けて物語は進行する。厳寒の島で繰り広げられるのは何と本格ミステリでいうところの“嵐の山荘物”なのだ。しかしなんと島に留まっているのは主人公のマーロウを含めて22人にも上る。なんとも容疑者の多すぎる孤島物ミステリだ。物語のバランスの悪さは否めないものの、読者の先入観を裏切る作品であり、新機軸を打ち出そうと意欲的だ。そういう意味でも私にとって案外印象に残る作品になった。2015/07/28
すす
2
ベア島に撮影に向かう船の中で頻発する不幸な出来事。不吉な様相を帯びてくる寒々しい船内。事故?事件?誰が?何故? 荒れる北海、氷点下のベア島、自然描写はお手の物のマクリーン。今回の主人公はお医者さん。明晰な推理で真相を探るも犯人も一筋縄ではいかない… 一体何が起きてるのか?興味をもたせてくれてダレることなく読了しました。派手な暴力描写は有りませんが面白かったです。 映画版のタイトルはオーロラ殺人事件だった記憶。つまらないとの噂ですが観てみたい。2022/02/27