ハヤカワ文庫<br> アフリカの女王

ハヤカワ文庫
アフリカの女王

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150401917
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

276
ポンコツの蒸気船<アフリカン・クイーン>を駆って、急流渦巻くボラ川を下降し、ヴィテルスバッハ湖に睥睨するドイツ艦ケーニギン・ルイゼを体当たりで撃破するーなんとも悲壮な決意だ。本書の舞台は川ではあるが、実質的には海洋冒険文学といった趣き。主人公の二人(ローズとチャ-リー)は、ともに冴えない男女というのは、この種の物語にあってはなんとも珍しい。そんなローズがワルキューレのごとくに挑む急流。そして、ドン・キホーテに従うサンチョ・パンサのようなチャーリー。筆力は認められるが、竜頭蛇尾に陥る結末は残念至極だ。2017/06/29

ケイ

133
アフリカにおける英対独戦争。英が優勢でも、独領アフリカにいる英国人には孤立無援の状態。ローズはドイツを憎み、自らにできる戦いを挑もうとしてオールナットを捲き込む。戦争は国対国である。しかし、作者は国を超えてアフリカの上から彼らを眺めて描いているから、読者はハラハラしながらもどこか安心して物語に身を委ねられる。彼らは非常に人間的で愚かだが卑怯ではなく、人間として必要な資質を忘れてはいないから、話の結末は非常に人間くさい。それは、滑稽な悲劇なのかもしれない。いや、日常と言おうか。また時間をおいて読みたい。2017/02/06

まふ

108
ドイツ軍が支配する中央アフリカのウランガ河をポンコツ小型蒸気船で下った男女二人組の大冒険物語。船の名は「アフリカの女王」。亡くなった牧師の妹ローズはコクニー訛りの天才的な機械技術屋オールナットをうまく指示しながら大型蒸気船ケーヒギン・ルイゼ号を魚雷で爆破・沈没させるために何とかたどり着く。が、そこで…。手に汗握るほどではなかったものの途中の二人のやり取りが面白い。とくに曲がったスクリュー軸を直し、千切れた羽を少ない材料と道具で補修するなど、まさにカミワザであった。G1000。2024/01/27

花乃雪音

16
アフリカを舞台に兄を死に至らしてたドイツ軍への復讐を誓うイギリス人ローズ・セイヤーは小型船アフリカの女王号でドイツ艦への突撃をもくろむ。映画は未見のため予備知識なしで読み始めたので復讐譚か戦争小説かと思ったらほぼ航海の冒険小説だった。ローズと共に航海するオルナットは思考、行動にイライラさせられる人物で魅力を感じなかった。そのためオルナットに惹かれるローズも同様となった。大団円とはいかなかったがこの二人ではむべなるかなとも思う。2022/02/06

秋良

15
【G1000】憎きドイツ軍に一矢報いるため、宣教師の妹(33歳)と機械工(20代)がポンコツ船「アフリカン・クイーン」で川を下り湖を目指す!B急映画のようなとんでもなさだけど、アフリカの厳しい自然に筆を割いた硬派な冒険文学。兄の軛から解き放たれ、自我を獲得し逞しく舵を握るローズはアフリカでこそ輝いている。そして歳の差の二人ができてしまう。あれまー!一体どこへ連れてかれるのか分からないまま読み進め、ラストは……ま、そんなもんだよね、というオチ。ポンコツな二人に幸あれ。2024/10/18

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