出版社内容情報
オクトーバー社への集団薬害訴訟が開始、ハンターが市議会議員選に出馬する中、マルセル島の抗争がマルドゥック市全域を揺るがす。
内容説明
“クインテット”を離脱したマクスウェルは、都市の趨勢を左右する要所・マルセル島に身を隠す。それを知ったハンターは、勢力を結集し恐ろしい狩りを開始した。一方“イースターズ・オフィス”は強化能力を無効化するため、バロットは薬害集団訴訟のデータを得るため、それぞれ“楽園”と協力していた。次の一手に向け準備は順調に思えたが、ハンターが市議会議員選挙に立候補するという衝撃の知らせで状況は一変する。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞受賞。主な作品に『マルドゥック・ヴェロシティ』『微睡みのセフィロト』(ともにハヤカワ文庫JA)など。マンガ原作やアニメ脚本も手がけ、ジャンルを越境して活躍。2010年、時代小説『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、2012年、『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiseiok
38
巻頭6ページ(!)に渡って紹介される異常な量のキャラ。バロットとウフコックの行く末が気になるだけの自分には、モブ系エンハンサーのキャラ把握は苦行以外のナニモノでもない。人物紹介と相関図とマップ、それぞれに付箋付けて本文と行ったり来たり…それでもなお新参キャラには「こいつ誰?」と。これだけ戦闘描写に分量を割くなら、せめて見開き2ページ分くらいにキャラ間引いて欲しかった(笑)。めちゃストレス感じながら読んだけれども、本筋でおっきな動きがあったりするもんだから、うむむ結局シリーズ最後まで付き合うんだろうなぁ…。2024/04/21
Kanonlicht
36
読み始めてすぐに、巻数間違えて飛ばしたかと思ったぐらい、知らないキャラクターがわんさか出てきた(笑)。一冊丸ごと市のはずれにある一つの島を巡ってハンター一派と脱退者たちとの間の抗争が描かれる。まぎれもない犯罪者集団なのにハンター側の人物(+動物)に愛着を感じる不思議。能力者バトルもののセオリー「1人につき1能力」を覆すチート能力者もちらほら現れ、いいぞやってやれ!といった感じ。最後にその後起きたある事件の顛末が語られ、事態はますます混沌としてきた。発売されたばかりの9巻へ。2024/05/23
えも
30
今号はほとんど、ハンター達と、彼らに反旗を翻したエンハンサー達の戦いに終止する。もう、ビックリ人間大集合▼しかし、ハンター達が悪役じゃなく、いい人達に見えてくるね。最終章までは▼次号は政治家となったハンターとバロットの頭脳戦を、激しく期待します。2023/07/26
りー
26
この巻はびっくり人間(エンハンサー)大集合。ハンターがダウンしている間に起きた内部抗争に決着がつき、ハンターが議員当選するまで。内臓が溶けたり身体が千切れたり、げっそりする描写の連続で、正直もう読むのが嫌だなぁとと思いました。しかし、ハンターの内部抗争は議員当選後、09法案そのものの正当性を問う形で手痛い一矢としてオフィス側に帰ってきた。クローバー博士の指摘通り、ここから先はバロットが学んだ法の世界での仁義無き戦い。それが読みたくて読んでいるのよ!2023/05/29
活字スキー
22
“一匹のネズミがその生をまっとうし、価値ある死を獲得する物語”はその終幕に向かってなお激しくうねり狂う。一冊ほぼ丸ごと、シザース陣営へ攻勢をかけるハンター陣営の総力戦。シティの東に位置するマルセル島全域で多数のエンハンサーが入り乱れたバトルに次ぐバトルでお腹いっぱい。美女と野獣な〈戦魔女〉のお姐さんたちやキモさしかない〈ミートワゴン〉、新技ダブルギフトと見所は多いが、何気にあちこちで矢印が交差する中、バジシルがまさかの急展開……!?2023/06/02