出版社内容情報
裏世界を通じて出逢った紙越空魚と仁科鳥子
のふたり。因縁の冴月の危機が去ったいま、
空魚は向き合わなければいけない感情がある
内容説明
「知ってる?共犯者って、この世で最も親密な関係なんだって」…裏世界の中、鳥子が出逢ったばかりの空魚へ投げかけた言葉。あれから一年あまり。因縁の閏間冴月の危機が去った今、空魚には向き合わなければいけない感情があった。鳥子からの本気の告白、返事までの期限は1週間。空魚は周囲や自身と対話を重ねながら、積み重ねてきた鳥子との関係性を少しずつ捉え直していくが―?怪異探検サバイバル、2人の佳境
著者等紹介
宮澤伊織[ミヤザワイオリ]
秋田県生まれ。2011年、『僕の魔剣が、うるさい件について』(角川スニーカー文庫)でデビュー。2015年、「神々の歩法」で第6回創元SF短編賞を受賞。冒険企画局に所属し、「魚蹴」名義で『インセイン』(新紀元社)などTRPGのリプレイや世界設定も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
80
2023年1月ハヤカワJA文庫刊。書き下ろし。シリーズ8作目。ムジナ・アタックス、オモイシレ、共犯者の終り、の3つの連作短編。空魚と鳥子の関係が一気に進む。異能力のある二人なので、こういうことがおきてもちっとも不思議じゃないんだけど、まさかここまでとは思わなくて、とても感心しました。宮崎さん凄い。小桜さんと異能のちびっ子の間にも楽しい関係が構築されそうで面白いです。2023/02/24
芳樹
77
【私を好きなあの子が怖い】そんな帯の惹句と意味深な副題にゾクゾクする。閏間冴月を”葬送”ったことで、いよいよ鳥子の想いに真正面から向き合うことになった空魚の姿を中心に描く今回。この世で最も親密な関係であるはずの「共犯者」の終わりとは別離なのか、それともさらに進んだ関係になることなのか。空魚が出した答えに震えました。2023/01/29
眠る山猫屋
73
共犯者の終り。鳥子から、ふたりの関係を突き詰められ追い詰められる空魚がかわい過ぎて。向き合ってきたつもりで、しかし鳥子のことを何も知らなかった自分に気づいてしまう空魚。そしてこれからの関係をどう進めたいのか、自問自答できていない空魚。相談相手をとことん見誤るし。この巻は、そんな五里霧中な空魚の動揺を楽しむ巻。空魚の慌てっぷりの隙を突いて現れる裏世界の使者は狢だし(苦笑)。百合の王道なのかよく知らないけれど、共犯者の先への道程は見えた。ふたりの旅路はリスタートする。素敵。2023/02/02
☆よいこ
72
裏世界⑧GL巻「空魚は私のことを、どう思ってるの?」直凸キタw▽[ファイル24:ムジナ・アタックス]鳥子の誕生祝いにヘタレた空魚は1週間の別離期間を設ける。そしたら裏世界から偽鳥子襲来[ファイル25:オモイシレ]恋愛相談はねぇそりゃそうしか言えんやろ。魔術師の辻さん強そう。るなに泣きついたの後でモメそう[ファイル26:共犯者の終り]要は空魚が人間に興味ないのがアレなんで、それでも頑張ってるんだろうなと[参考文献]実在の事物の固有名詞はなるべくそのまま書くことにしている、そうな▽二人の関係に一区切りついたか2024/06/30
よっち
46
鳥子からの本気の告白。返事までの期限は1週間。空魚は周囲や自身との対話を重ねながら、積み重ねてきた関係性を少しずつ捉え直してゆく第八弾。いずれそうなると思っていた、直面するのは時間の問題とも思っていた問題。裏世界で出会ったばかりの空魚に鳥子が投げかけた言葉。それが一年余り経過してじわじわと効いてくるとは思わなかったですけど、二人の関係性について一生懸命真摯に向き合う空魚は、鳥子との関係を大切にしていますよね。でももういろいろ一緒に経験を積み重ねてきた二人だから今更感があるのも何か分かる気がしました(苦笑)2023/02/24