出版社内容情報
2084年の世界を舞台にしたSFが23篇。『ポストコロナのSF』に続く日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第2弾。
内容説明
第二次大戦後の1949年、ジョージ・オーウェルは1984年を舞台にしたディストピア小説を発表した。それから100年後の2084年を舞台に、現代のSF作家たちはどんな世界を描くのか?ハヤカワSFコンテスト、創元SF短編賞受賞作家たち、本屋大賞受賞の逢坂冬馬、多ジャンルで活躍する斜線堂有紀ほか23作家による、それぞれの2084年。『ポストコロナのSF』に続く日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第2弾。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
143
オーウェルの「1984年」(偉そうに言ってるが実は未読です)の100年後。23人の作家の夢の競演、と言いたいが「えっ、これで終わり?」余りにも物足りなかったり、全くついていけず挫折してしまったのもある。その中で竹田人造「見守りカメラis watching you」記憶が覚束ないながらも娘を助けに行く!と何度も施設から脱走を図る老人か、様々な仕様のロボットに阻まれるドタバタ劇、と思わせておいてからの、驚きの結末に、何だかほろ苦く切ない気持ちにさせられて、これがイチオシ、と感じた。2022/09/26
keroppi
74
現実が小説を追い越しているような時代に、「1984」の100年後を舞台にして、現代のSF作家たちは、どういう話を紡ぐのか。23の短編が収められているが、テーマから外れたと思える作品もあったり、その設定をうまくこなしきれていないのも多々ある。印象に残ったのは、管理された養老院から脱走する「見守りカメラ is watching you」と、1984年制作の映画とその消滅を語る「BTTF葬送」かな。さすがに私はもう生きていないけど、2084年はどうなっているだろう。2022/09/16
鐵太郎
20
ジョージ・オーウェルのディストピア未来小説「1984年」の顰みにならい、異常気象、新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻などの異常な現実を踏まえ、2084年にはどんな物語がありうるのか、そんなテーマで現代のSF作家が描く23の短編集。未来は必ずしもバラ色じゃなさそうだとわかってきた今、描かれるのはディストピア世界ばかりだったら鬱だなと思ったけど、そうでもなかったのが嬉しいね。自分の波長に合うもの、合わないもの、いろいろあって、それだけでも価値はある、読み応えのあるアンソロジーでした。2022/08/01
宇宙猫
18
★★★★ 全体的に面白かったけど、読み疲れた最後に訳の分からない話はやめて欲しかった。暗い話が多い中、薬を運ぶ「未来への言葉/高野史緒」が良かった。2023/03/06
きゅうくつ
18
10億ゲットが面白かったので、竹田人造先生目当てに購入。「見守りカメラ is watching you」とても良かった! もちろん、これだけでなく、様々な味わいの作品を贅沢に楽しめるアンソロジー。2022/06/15