ハヤカワ文庫ＪＡ マルドゥック・アノニマス〈５〉

冲方 丁【著】

早川書房（2020/05発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 416p／高さ 16cm
• 商品コード 9784150314347
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

ウフコックと再会したバロットは、ガス室から救出を試みる。一方〈クインテット〉は、ハンター不在という異常事態に当惑していた

内容説明

ウフコックを探すには、まずはハンターを知る必要がある―そう考えて“楽園”を再訪したバロットは、ハンターとオクトーバー一族の意外な過去に辿り着く。“クインテット”の結成以前に、彼に何があったのか？引き続き捜索と調査を行う一方でバロットは、ストリートでの過酷な経験を経て、エンハンサーとなった少女アビーを家族に迎える準備を進めていた。かつての自分のように、信頼できる相手を求める少女を救うために。

著者等紹介

冲方丁［ウブカタトウ］
１９７７年岐阜県生まれ。１９９６年『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。２００３年『マルドゥック・スクランブル』で第２４回日本ＳＦ大賞受賞。マンガ原作やアニメ脚本も手がけ、ジャンルを越境して活躍。２０１０年、時代小説『天地明察』で第３１回吉川英治文学新人賞、第７回本屋大賞、２０１２年、『光圀伝』で第３回山田風太郎賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Kanonlicht]

4巻に引き続き、ウフコック救出作戦の戦闘と決行当日までの経緯が平行して描写される。とりわけこの巻では、ハンター自身が抱える問題と、それにより生じる組織の綻びがメイン。つけ入る隙ができたのは本来喜ばしいことなのに、絶対的な悪役のピンチを見ると、そんなのに負けんなよとつい応援してしまうのはなぜなのか。悪は悪なりに、努力して一歩ずつ組織を大きくしてきた過程を見てきたから？ 最初は嫌いだった敵キャラクターにもいつの間にか愛着を感じはじめている。そんなところも著者のうまさだと思う。

2024/04/18

[ぜんこう]

登場人物が多くて思い出すのが大変。　ウフコックを助けて、さぁハンターたちをやっつける・・・と思ったらおうではなかった。　ウフコック救出前後の話が交錯するし、ドンパチじゃなく心理戦という感じやし、結局4巻の番外編じゃないけど大きく肉付けした感じか？　はやく次読みたい！

2020/06/24

[Small World]

正直、どれほどの読者がついていけているのか知りたいぐらい複雑で登場人物も多いのに、すこぶる面白さのアノニマスNo.5を読了です。バロットの成長がすごいのですが、甘えたちゃんもあって欲しいです。読めば読むほど前シリーズを読み返したくなって困ってます。特にシザースについてはヴェロシティを読み返すべきなのですが、体力が持つかが不安だし、でも、次巻こそ、いよいよ物語の核心に踏み込んでいきそうだしで、悩ましい状況なのです。

2020/06/30

[Yuri]

登場人物が多く、物語を理解するのが難しい。 読み始める前に既刊を読み返したがそれでもついていけてないと感じる。他の読了済みの方はついていけてるのかな...。 ついていけてないと思いながらも、バロット視点の場面やレイの活躍も多くて物語に惹き込まれ、楽しく読むことができた。 次巻が出る時には、また1巻から読み返さなければ(笑)

2020/08/15

[活字スキー]

"一匹のネズミがその生をまっとうし、価値ある死を獲得する物語"の５巻。ついにウフコックの元にたどり着いたバロット、そしてイースターズ"ファミリー"の反撃を描く現在パートと、そこに至るまでのバロットサイドとハンターサイドそれぞれの視点から描く過去パートの交差はまだ。いうなれば『～スクランブル』と『～ヴェロシティ』の上位互換を同時進行してるようなものだから、読み応えがあるのはよいけどなかなか話が進まなくて嬉しいやらもどかしいやら。【私の名前は、ルーン・バロット・フェニックス】

2020/05/31