出版社内容情報
2070年、かつて難民の少女として日本に逃れてきた〈厚安〉捜査官の真守滄は、〈帰望の会〉によるテロ事件の捜査にあたるが――。
内容説明
西暦2070年、シビュラシステム導入後の日本は、サイマティックスキャン技術が定量化した精神色相を基準とする社会を確立しつつあった。色相を欺瞞する違法薬物の摘発にあたる厚生省麻薬取締局の捜査官・真守滄は、テロ組織“帰望の会”によるダム破壊の現場に遭遇する。組織から切り捨てられた少女・衣彩茉莉とともに“帰望の会”の真の目的を探る滄は、日本政府の恐るべき闇へと踏み込んでいくが―。ノベライズ第3弾
著者等紹介
吉上亮[ヨシガミリョウ]
1989年埼玉県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。2013年、『パンツァークラウンフェイセズ』で作家デビュー(全3巻/ハヤカワ文庫JA)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
34
シビュラ・システムは導入されていないが、社会のストレスの軽減のために薬物が公認されようとしており、麻取が徐々に解体されようとしている日本。そんな中でラクーゼの副作用のエグさに絶句し、薬物に溺れる真守に絶望しか沸き上がらない。また、自分が過去に受けた拷問や生きている実感を得た殺戮を嬉々として話す泉宮寺の姿や際どい百合未満はまさに深見真氏の造形を汲んでいると言えよう。そして過去の東金美沙子を知ると公共の利益をより深く、追求する霜月ちゃんみたいでそんな彼女が二期で霜月ちゃんを説得できたのは皮肉だなと思ったり。2016/03/21
ギンちゃん
29
TV本篇より約半世紀前のシビュラ統治社会の黎明期における違法薬物に難民、テロリズムなどの混沌とした時代の話。作中にはちらほらと覚えのある名前が出てきたりして今後が気になります。次で最終巻になるそうなので早く続きが読みたくもなり、終わってしまうのが今から残念にもなる少し複雑な思いもします。それでもやはり楽しみです。2017/04/05
ソラ
27
面白かった。一連のPSYCHO-PASSのシリーズでは最も過去にあたる本作、まさかの続き物。続きがとても気になる。2016/05/28
昼夜
21
一旦おやっさんの話は終わりだよねと3は何の話かなぁと思いながら読み始めました。また少し時間が遡って厚生省麻薬取締官が主人公で欠けていた厚生省側の視点で見るとサイコパスの世界観の深さにまた更にハマってます。シビュラシステムの黎明期を読んでるとまたアニメを見直したくなってきたときに2019年1月に新作映画公開のニュースが飛び込んできてテンション上がりました。2018/03/09
サケ太
18
面白い。そして時間を更に遡る。異国より渡ってきた少女、成長した彼女、真守滄は厚生省麻薬取締局の捜査官となり、テロ組織〈帰望の会〉から切り捨てられた少女、衣彩茉莉と出会う。現在の社会を創るために犠牲となった人々。原作や前巻の人物たちも登場。PSYCHO-PASSの重要人物、禾生壌宗の物語。後編も楽しみ。2016/02/27