出版社内容情報
米情報軍大尉クラヴィス・シェパードは、後進諸国で頻発する内戦や虐殺の背後に存在する謎の男、ジョン・ポールを追うが……。現代の罪と罰を描破した30万部のベストセラー。
内容説明
9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション。
著者等紹介
伊藤計劃[イトウケイカク]
1974年10月生まれ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』で作家デビュー。「ベストSF2007」「ゼロ年代SFベスト」第1位に輝いた。2008年、オりジナル長篇第2作となる『ハーモニー』を刊行。第30回日本SF大賞のほか、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門を受賞。2009年3月没。享年34。2011年、英訳版『ハーモニー』でフィリップ・K・ディック賞特別賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
395
本書はその辺のSFとは完全に一線を画していると思いました。私、グロはダメなので読み飛ばしながらページを進めましたが、主人公の哲学的思索やジョン・ポールやルツィアとの哲学的な会話が楽しくてしょうがなかったです、難しかったですけど。2017/05/13
はっせー
167
面白かった! 伊藤計劃さんの小説を読んだことなかったがカタカナが多かったがそれほど気にならなかった! 9.11以降の世界のifであったがかなりリアリティーがあり、こんな世の中が出てくるのではないかと思った。先進国であるアメリカ出身の主人公が発展途上国での内戦で葛藤しているのを見て自分も同じ気持ちになるなと思った!2019/02/03
優希
143
ゼロ年代を代表するフィクションとして読めると思います。9.11以降のテロとの戦いの転機の中で先進国と後進国の管理体制の徹底した違いに鳥肌が立ちました。テロが一掃された先進国に対し、内戦や虐殺が横暴する後進国。これはある意味現在における罪と罰の象徴のように思います。過去の物語を現代に置き換えているわけですが、この危険な小説は未来をも示唆しているように感じられてなりません。2017/05/14
H!deking
112
最初びっくりするくらい読みにくくて最後まで読み切れるか不安だったけど、後半はめちゃくちゃ面白かった。でもなんだろ、メンタルやられるね、これは。なんかここ2、3日テンション上がらない。SFなんだけど色々考えさせられました。これ落ちてる時はあんまり読まない方がいいかもね。までもそれだけ力のある作品である事は間違いないです。2019/05/12
dr2006
106
脳の感興領域が唸る。面白かった。言葉は人間が生存適応の過程で獲得した進化の産物だ。体験していない現実を情報として得ることで将来を予測し生存性を高める。進化の過程で様々な臓器が進化した様に人は言葉という器官を得た。一方必携のデバイスによって認証と追跡が当たり前となった今、自分が見たい信じたいものだけに偏向し平常を見失う恐さを感じる。例えば、今や戦争は領土や宗教の戦いといった単純な構図ではなく、複数のクライアントが夫々民間軍事企業に委託し履行される契約だ。これは戦闘適応調整を受けた民間傭兵の苦衷の物語だ。2020/05/03
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