出版社内容情報
結婚を決めた美尋の前に11年を経て想い人が現れ……埋火の愛に身を捧げた男女の物語。
内容説明
雨は、哀しい過去を思い出させる。甘く苦しい抱擁を―娘を一人で育てながらメッキ会社で働く２９歳の美尋は、突然、次期社長に結婚を申し込まれる。娘のためと申し出を受ける美尋。だがその矢先、かつて愛した男性が現れる。１１年前、二人は許されぬ関係と知りながら結ばれた。再会に心乱れ、距離をとる美尋。しかし、彼女の同僚の死が、二人の運命を再び熱く深く結びつけてゆき…慈雨のように純粋だった恋と愛の行方。
著者等紹介
高田侑［タカダユウ］
１９６５年群馬県生まれ。２００３年『裂けた瞳』で第４回ホラーサスペンス大賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
58
「11年前の忘れられないあなたとの激しい恋、そして予想もしていなかった再会、揺れるワタシうっとり」かと思いきやもうひとりの主人公ともいえる岩島くんからの物語が重なり、中盤から軽いミステリ的な事件も加わって（といってもミステリとして読むには最初の手がかりから見え見えではあるけれどね）、ラストは意外にもめでたしめでたし。『よくできました』。まぁ主人公の美尋は最後まで“揺れるワタシ”ではあるのだけれど、ジメジメな恋愛モノの前半から違和感なくハッピーエンドに持って行ってくれた展開には柔らかい笑顔になれましたとさ。2014/08/30
優希
51
純粋な恋の物語に引き込まれました。社長の求婚後、かつて愛した男性が現れるとかドラマのようです。愛と恋の行方がどうなるのかドキドキしながら読みました。2021/02/02
絹恵
29
たったひとつの想いに生かされることの幸福と牢獄、あなたに出会わなければ知ることが出来なかったことばかりでした。禁断ではなく純愛だと信じきることが出来たから生きて行けました。関係性が引き離したり、縛り合ったりしたとしても、あなただったから、あなただから、私は私に成れて、あなたと私に成りたいと思えたのだと感じました。2014/06/10
虹色
24
10歳の娘がいるシングルマザーの美尋が、専務の一馬からプロポーズされる中、高校時代に思いを寄せた教師の中山と再会する。中盤まで「郁」さんのだと勘違いしていましが、美尋と中山の行く末に目が離せず引き込まれ一気読みでした。雨の冷たさも知った美尋の愛が伝わってきました。2024/10/19
たぬ
23
☆4 高田氏9冊目。珍しくホラーじゃないのね。美和ちゃんの父親が明らかにされたときはやっぱりねだったけど、現在の中山が嫌いなタイプだったので純愛って言われても…なのよね。無言でじっと見つめるだけで挨拶返さないって何！？ 「男は黙って背中で語れ」かよ。昭和脳かよ。それよりも岩島くんと野方くんの友情のほうがずっとピュアで美しかった。2020/11/10
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