出版社内容情報
至近未来を描く、究極の警察小説 第三弾の刊行直前に第二弾を緊急文庫化!警視庁特捜部と国際テロリスト集団の激突有人戦闘兵器を導入した警視庁は、搭乗員として3人の傭兵と契約した。組織内で疎まれつつも、巨悪に挑む孤高の特捜部の熱き戦い
内容説明
軍用有人兵器・機甲兵装の密輸事案を捜査する警視庁特捜部は、北アイルランドのテロ組織IRFによるイギリス高官暗殺計画を察知した。だが特捜部には不可解な捜査中止命令が。首相官邸、警察庁、外務省、そして、中国黒社会の暗闘。やがて、特捜部の“傭兵”ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去が浮かび上がる。世界標準のスケールと圧倒的リアリティを持ち極限にまで進化した“至近未来”警察小説、戦慄と驚愕の第二弾。
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。在学中、清水邦夫、高橋玄洋に脚本・演劇を学ぶ。卒業後予備校講師として現国・古文・漢文の教鞭を執る。1988年『ミスター味っ子』で脚本家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
112
2015/6/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2017/9/4〜9/8 機龍警察シリーズ第2弾。久しぶりだったので、思い出すのにちょっと時間がかかったが、記憶が蘇ると共に、一気に作品の中に引きずりこまれた。緊迫の展開で上巻は終わり。続いて下巻へ。2017/09/08
セウテス
85
機龍警察シリーズ第2弾上巻。前作が姿の傭兵時代の因縁ならば、本作は元IRFテロリストのライザの因縁が描かれる。テロ攻撃に直面する日本と、ライザの過去が交互に語られる物語は、たいへん強く引き付けられる。警察内部の軋轢から政治外交が絡む、単にSFを楽しめないこの描写に不満も在りつつ、物語の奥行きを感じずにはいられない。登場人物の紹介を兼ねた過去を、現在の闘いに反映させている事から、本当の謎解きは主要人物の物語が終わった後なのだろう。リアルな近未来の危機に人間を掘り下げて描く手法が、読む手を止まらなくさせる。2019/07/04
ままこ
76
シリーズ2冊目。異なる文化に由来する暴力が日本でせめぎ合う。徐々に明かされるライザの過去。曲者揃いの面々が複雑に絡み合い至る所で駆け引きが行われる。規格外の沖津は惚れ惚れするほど手際良いなぁ。『序盤は本のごとく、中盤は奇術師の如く、終盤は…』〈敵〉に挑む予断を許さない(下)へ。2019/04/26
papako
66
あれ?読んだのに登録してなかった。そして再読。最近あまりにもよくおこっているテロ。テロには一切の正義はない!どうすれば無くなるのか、本当に何かないのかなぁ。ライザがテロリストになってしまう経緯、わからなくはないけれど、あまりにも短絡的、自己憐憫にすぎる。それほどの不幸の底にいたわけではなかったライザがテロラストになる。これが一番こわい。こういう若者が世の中に増えてしまっているのか。。。何はともあれ下巻へ。2017/09/23
つねじろう
61
機龍警察第2弾。前回は機龍兵「フィアボルグ」の姿の物語だったから今回は「バンシー」のライザの巻。分かり易い構成。背負ってるねえライザその過去の重さと哀しさは天下一品。アイルランドテロリスト集団の出身で脱走者。国からも元の仲間からも命を狙われる。ね、この辺も定石。そのテロリスト集団が日本上陸目的不明のまま機甲兵を使い日本警察を蹂躙する。ライザの過去と目の前に迫る危機を交互に描きながら正体不明の彼女の輪郭を浮き上がらせて行く。話は地球規模だしバンシーも空飛んだりするんだけど何処か閉塞感一杯で逃げ場なく下巻へ。2015/06/17