出版社内容情報
高校の化学部部長・浅倉泉が発見した物質が世界を変える──星雲賞受賞作、ついに復刊
内容説明
浜松西高校化学部部長・浅倉泉の人生の目標は“努力しないで生きること”。文化祭を前に泉は、ただ一人の部員・保科昶とフラーレンを生成する化学実験を行なっていた。そのとき学校を雷が直撃!実験失敗と落胆する泉の眼前には空気中に浮かぶシャボン玉のような粒子が生まれていた。ダイヤモンドより硬く空気より軽いその物質を泉は“ふわふわ”と名づけ、一儲けしようと考えるのだが…伝説の星雲賞受賞作、ついに復刊。
著者等紹介
野尻抱介[ノジリホウスケ]
1961年三重県生まれ。計測制御・CADプログラマー、ゲームデザイナーを経て、1992年、ゲーム「クレギオン」の設定をもとにした『ヴェイスの盲点』(ハヤカワ文庫JA)で作家デビュー。2002年に上梓した『太陽の簒奪者』(ハヤカワ文庫JA)は短篇版に続いて星雲賞を受賞、「ベストSF2002」国内篇第1位を獲得した。また、『ふわふわの泉』でも星雲賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miri
70
化学部長、浅倉泉が文化祭前の化学実験の際、学校に雷が直撃、思いもかけず夢の新素材"ふわふわ"の合成に成功。特許を取得し、軌道エレベーターの建設に着手、成功。途中で、宇宙人も登場し、終始まったり、ふんわりとした展開で話は進みます。ハードSFとは一線を画する、ふわふわ綿菓子感覚。個人的にはもう少し歯応えがあるストーリーが好み。2020/06/06
まじゅ
61
生きているうちにテクノロジーが恐ろしく発達して誰でも宇宙に行ける。アポロ計画が行われていた頃の子どもは夢が現実になることを疑わなかった。 そういうSFを久しぶりに読んだ。スコーン!と抜けていて、いろいろ脱力していて、とんとん拍子で、かなり気持ちが良い。めちゃくちゃ元気が出た。 「人間の自意識には中枢が無く、自己と周囲の環境との関わりを類推する事で生まれる、一種の錯覚である。」なるほど。 ピアピアも是非読みたい。 2013/01/31
チョモ
35
ライト風味ハードSF。ガジェットも文章もとにかく軽い話。化学好き女子高生朝倉泉が偶然発見した、非常に堅く空気より軽い夢の素材"ふわふわ"。その素材を使って作られる奇妙な建造物群のイメージには、SFが持っている遠望感が詰まってます。あの名作SF『楽園の泉』へのオマージュ要素も多く、知ってる人は二度美味しいv 軌道エレベーターと思わせて○○とは…。立地案件もコミカルですネ。そしてスターフォッグ。ニヤリとしてしまいました。本書を読んだラノベファンの人達が、SFを読み始めるキッカケになれば良いな。そんな一冊です。2013/09/29
ヒロユキ
33
夢のあるSFって大好きです。…ダイヤモンドより硬く、そして空気よりも軽い夢の新素材…その名も「ふわふわ」(笑)。ふわふわを用いた建築物や乗り物が人々の生活や意識を変え、人は大地から離れてふわふわと浮き、どこまでも旅を続けるのでしょう。2013/06/09
miroku
30
届きそうで届かない近未来。現在の技術の延長線上にあって欲しい明日。夢見る事は心地よい。2013/07/05