ハヤカワ文庫
さよならペンギン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150309978
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

塾講師の南部観一郎は、今日も好意を寄せる谷一恵の誘いを断り、ペンダンと共に自分たちの同類を探しに夜の街を彷徨った。ペンギン姿の似合うペンダンは口の減らない奴だが、頼りになる相棒でもある。その日、ふとした隙にペンダンを襲った黒い闇の男こそは、長い間探していた彼らの同類に違いなかった。そう、この世界の観測者南部は、延長体ペンダンと共に1500年以上生きる存在だったのだ―。哀愁の量子ペンギンSF。

著者等紹介

大西科学[オオニシカガク]
1971年生まれ。兵庫県出身、大阪大学理学部卒。3児の父で理学博士。1998年から、立ち上げた雑文サイト「大西科学」で雑文、掌篇小説の公開をはじめる。サイトに発表した掌篇をもとにした長篇『ジョン平とぼくと』にて2006年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りんご

44
大西はライオン以外に科学もいるのですね。SFでファンタジーでした。つかみの確率のお話のところがいいよね。未来は無数の分岐がある、過去も無数の分岐があったはずだけど、「今」は一つしかない。選ばなかった分岐は無かったことになる。そして人は忘れていく。忘れた記憶は無になるのか。否、私を構成する一部になっているはずだ。2024/07/09

そふぃあ

33
多世界解釈SFです。人は死なない。世界はいろんな時点で分岐して、無数の平行世界が存在するけど、その中で、人は自分が生きている世界を選択し続けるから。例えば私が事故に遭ったとき、世界は私が生きている世界と、死んでいる世界に分岐する。でも私の意識は必ず、「私が生きている世界」を選ぶということ。本書では、生を選び続けること=永遠に生きることで、無数の平行世界一つ一つに、永遠に生き続けその世界を「観測」し続ける存在がいる、という話。細かい設定はあやふやですが、読みやすいSFです。何より題名が良い。2016/05/17

mincharos

32
「さよならペンギン」違いで借りてしまって(ほぼ日ブックスの方を読みたかった)、試しに読んでみる。SFだの量子力学だの、全く興味なくて知識もないから難しかったー!でもファンタジー的にがんばって読む。ペンギンではなくペンダン(延長体)がものすごく可愛い。南部さん(観測者)は飄々としていてかっこいいし。そしてその二人のコミカルな会話と、深い絆みたいなものが素敵だった。でも後半、壮大なるバトルシーンやら、物理的な部分は全くついていけなくて、何度読むのをやめようと思ったことかー!!ペンダンの可愛さでなんとか読了。2019/01/29

miroku

30
観察者として1500年生き続けている男。相棒は延長体ペンダンのペンギン。SF版八百比丘尼。2018/03/09

GaGa

27
量子世界を扱うとスケールの大きな話に否が応でもなってしまうが、この作品は主人公を取り巻く世界観が狭すぎる。ストーリーを掘り下げることなく、ワンアイディアで押し切ってしまった感が漂い、全体的に単調な語り口で、読後物足りない。残念。2010/10/05

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