内容説明
忠実な臣下たちとの再会を喜びつつケイロニアに帰国したグインは、国民から盛大な歓呼の声をもって迎えられた。そしてなによりも、グインの長の不在に心ふさいでいたアキレウス帝の喜びようはひとしおであった。しかしそのような光り輝く歓喜とは裏腹に、サイロンの王妃宮の奥深くで、シルヴィアは要人にあるまじき乱行に耽溺した結果、誰とも知れぬ男の子供を宿し、事態の急を知ったハゾスによる追及のさなか、出産する。
著者等紹介
栗本薫[クリモトカオル]
別名に中島梓。東京生まれ。早稲田大学文学部卒。77年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。78年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成し、早川書房より継続刊行中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
160
★超大作(公式表現:未曾有の大河ロマン)『グイン・サーガ』シリーズ全180巻完読プロジェクト(ギネスに挑戦!) https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11805473?sort=book_count&order=desc 今回は、正伝122巻(149/180)です。本巻は、グインとシルヴィアの別れの巻でした🐆 続いて正伝123巻へ2022/11/03
nonたん
30
最後の2人の会話読んでたら…泣けてきた。シルヴィアにとってはまさしくそんな生涯だったのだろうし、グインはやっぱり女心なんて分からないんだよ。だから、追放されてきたのかも知れんな…。あんな終わり方はダメだと思うぞ。しかし関係ないけど、ロベルトも美男だねぇ…。読み終えてから表紙見ると…よけい泣ける。2013/10/01
瀧ながれ
25
シルヴィアは、父親がわからない子どもを出産する。それは男の子で、両目の色が異なるという特徴を持ち、ローデス候ロベルトから「シリウス」という(栗本薫の物語において、おそらく大きな意味を持つ)名前を贈られ、密かにサイロンから遠ざけられる。「宇治十帖」みたいなことを、考えていたのかなあ。いつか成長したシリウスと、スーティとドリアン王子とマリニア姫と、あと何人かの、第二世代の活躍、…これから読めるかもしれないけど。グインはついにシルヴィアを見限る。なんというか、ハゾスはグイン贔屓すぎてたまに判断を誤りますな。2016/09/09
Book Lover Mr.Garakuta
20
【図書館】【速読】:シルヴィアの不穏なる行為で、グインと別れるのか。シルヴィアの産んだ子供を巡り新たなる闘争の火種になるのか、グインはケイロニアを離れるのか。2024/09/15
Toshy
19
結果的にグインよりもシルビアの方が大人でした。今回は宰相役は惨めでした。こういう形の暗さは初めてのように思います。2014/07/20