内容説明
西暦2256年、バハ・カリフォルニア。北米からの密入国者を手引きするアロンソは、血の繋がらない家族を養っていた。だが、その一員であるクラウディオと寝たきりの少女ブランカには、ある重大な秘密があった。密入国の摘発を図る軍部に対しクラウディオは、ブランカに恋する少年ファニートを殺戮兵器・生体甲胄へと変貌させるのだが…『グアルディア』の400年前を舞台に、無垢にして醜悪なる愛を描くシリーズ第2作。
著者等紹介
仁木稔[ニキミノル]
1973年長野県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科修士課程修了。2004年刊行の『グアルディア』で作家デビュー(ハヤカワ文庫JA)。新人離れした壮大なスケールの作風が高い評価を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ai
3
『グアルディア』の前日譚として、文明の崩壊した余韻が感じらる。登場人物たちは徹底的に弱く、搾取される立場だが、最強兵器「生体甲冑」が登場するあたりから、ぐっと引きこまれる。ただ、著者が語り、書き継ぐ、史録の体が強いので、壮大な物語なのに、淡々としていて最後まで盛り上がりが弱かった。2017/10/04
isfahan
3
グアルディアの前日譚。妖精(ニンファ)の初出はこの作品なのかな。生体甲冑=グアルディアの伝説が形作られる、まさにイストリアが作られるその瞬間を描く。アンヘルが生体甲冑に執着する理由も。年月を長大な期間で切り取り、その中で有限の人間や生き物の思いや縁、運命のつらなりを描くのってSFや醍醐味のファンタジーで、おそらく人間が根源的に求めてるストーリーの類型の一つ。その欲求に正当に答えるシリーズだと思う。2012/05/25
ひめの
2
グアルディアの次回作で、前作の400年前の世界を描く。アンソロは血のつながらない家族たちと共に荒廃した世界でなんとか生活していた。彼らは寝たきりのブランカを中心にどこかわだかまりを持つ。彼女の秘密が明らかになるにつれ物語は動きだしていく。グアルディアでは描かれなかった生体端末の過去が明らかになり世界がより重厚になる。しかし圧倒的時間軸の中でいまだ明かされていない(描かれない)たくさんの歴史に没入してしまう。前作とあまり関係なさそうで緩くつながっているその関係性が面白かった。次の作品も楽しみ2023/03/31
kazume
2
23世紀中米を舞台としたオルタナティブ・ヒストリ。荒廃していく世界に残された科学技術も明るい希望とは言いがたく、生き残った人々の間にあるものも粗暴でグロテスクで猜疑と不安に満ちて、痛々しい。それでも、情の絆や、誰かに良かれと願う祈りもあるのだ、ということも描かれる。どっちかが本当、とかあるべき姿、てこともないんだろな、きっと。2009/07/05
いぬすけ
1
数年前からの再読。設定はハードなんだけど、動機になる暴力性や虚無感、被虐についての解釈が男性にしてはちょっと…と思って今回調べたら女性作家さんだった!納得。アロンソがクラウディオにむらっとするところとか、腐的においしいww 常に弱者である怒りというか、弱者でしかいられないからこそ、誰かを守りたいと思うファニートの気持ちとその変貌が切なかった。グアルディアも再読したい。2016/03/21
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