内容説明
夏休みを迎えた高校生の光則は、母の実家のある兵庫県明石市大久保町にやってきた。到着早々村安一家の暴力沙汰に巻き込まれ、ここはガンマンの町だと知るがもう遅い。巨漢の黒人ガンマンに救われ一安心するも、光則が伝説の英雄の息子だとわかり住人からは救世主扱い。一目惚れした紅葉が村安一家に誘拐され、決闘の場に赴いた彼の運命は?伝説のデビュー長篇、書き下ろし番外篇付きのディレクターズ・カット版で登場。
著者等紹介
田中哲弥[タナカテツヤ]
1963年兵庫県に生まれる。1984年「朝ごはんが食べたい」で星新一ショートショートコンテスト優秀賞受賞。1987年関西学院大学大学院修士課程修了。吉本興業の台本作家となる。1991年コピーライターに転職。1993年『大久保町の決闘』で長篇デビュー。続く大久保町三部作で偏った人気を博す。1999年『やみなべの陰謀』刊行。以後、アンソロジー“異形コレクション”などに短篇を寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はま
17
百鉄先生ご推薦本。なんこれホンマにある町なん?いや、もちろん荒野でガンマンで保安官で決闘が、って意味でなく。って解説で著者はここに住んでるだって(笑)グッドセンスですこれ。ずーっとギャグ、ずーっとふざけてる。でも愛嬌のあり過ぎるおバカな主人公・光則と、悪役でさえどこか牧歌的な住民たち。実に楽し〜く読めます。三部作だそうなんで全部いってまおう!2013/08/20
百鉄
10
JR西明石駅の次の駅、大久保。その大久保町はガンマンの町だ。何故? どうして? と聞かれても困る。だってそうなんだもの。住人は腰に拳銃を提げている。でも特に説明は無い。全編がギャグの嵐♪ 主人公の笠置光則からして、アホの子である。しかし、住人達は光則を凄腕のガンマンだと勘違いする。そう、他の登場人物も総じてアホなのだ。それでいて、しっかりボーイ・ミーツ・ガールしている。光則と紅葉の関係は正に王道。本の作り自体も凝っていて(ふざけていて)素晴らしい!!2013/08/04
Te Quitor
5
おふざけ小説3部作の第一弾。兵庫県明石市大久保町はガンマンの町。大久保町で西部劇。そういう小説。馬鹿げた小説。頭を空っぽにして読んだ。真面目にふざけていることに感心してしまう。主人公の緩さとのんびりとした文章でフワフワした雰囲気を保ったまま完走。読んでいるこの時間が勿体無いなぁと感じた本。心にゆとりをもっていきたいね。次読んでみよう。2016/02/10
けいちゃっぷ
5
田中哲弥の長編デビュー作が「コレクターズ・エディション」で還ってきた! 2007/04/12
barcarola
4
カバーイラストから想像できる通り、ちょっと(かなり?)おかしな西部劇風ワールド。もともと電撃文庫で刊行されていた古い作品のようだが、それとは別な意味でも古さを感じさせるのは設定がうまく活きているからだろう。2022/04/23