内容説明
28世紀、太陽系をめぐって三つの勢力が覇権を争っていた。太陽系を版図とする、ジェネラル・アグノーシア。宇宙航行種族の調停機関の下部組織である、権威評議会。そして前世紀末に太陽系に重なるようにして現われた、古代銀河帝国のリアルな蜃気楼である、アルカイック・ステイツ。三大勢力の微妙なパワーバランスは一人のテロリストによって一挙に崩壊する。稀代の幻視者大原まり子が描く、政治と愛と悪趣味と妄想。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuji
9
読みやすく、適度にハードで、スピーディー。普通に面白い。文句ありません。90年代SFを代表する作家らしい。(認識不足でした)対象からもらしてる事に気づく。今から代表作を追いかけねば!2016/01/23
ろびん
4
良い話みたく終わるのがむかつくな……。2019/09/18
ナガサワ
1
結局、アルカイック・ステイツとは何だったのか?宇宙的規模の歴史、なのか?ならば、未来か、過去か?時間軸マジックは同じ著者のハイブリッド・チャイルドよりも入り組んではいるが理解しやすい。価値観の創造もおもしろかった。2013/03/25
ネムル
1
次々と広がる展開が全てシュールで、とてもカッコイイ絵になっていて、この短さがもったいなく思えてくる。どこまでもどこまでも広がっていってほしいのにね。2011/10/07
寛理
0
☆ 『処女少女マンガ家の念力』がすばらしかったので期待したが、くだらなかった。宇宙人が出てきて社会を風刺すると言う古典的なSFの手法だが、「地球の社会は物語によって運営されるのです」「不思議なシステムですね…」と言うところとかバカじゃないかと思う。時間が逆流して貨幣が通用しなくなったりするが、最後は、いまここに生きていることから出発して歴史を作っていくのだという結末で、しかしそれも凡庸な紋切り型にしか見えない。榊東行の解説はまったく正しいが、それを読んだら小説の方は読まなくていいということになってしまう。2019/07/26