内容説明
真珠病。全身が真珠質に変化し、死に至るという不治の病が、全世界に静かに蔓延していった。「真珠たち」と呼ばれる患者たちは、隔離され研究対象とされたが、一人の少年が、インディアン・ルエラ族の居留地に逃げこんだ日から世界は「真珠たち」を無視することができなくなった。真珠病の少年に神の似姿を見たルエラ族が、彼らのために起ちあがったのだ。―ベストセラー作家が、SFへの熱い想いを込めて描く本格長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りこ
4
昔に買って読んだ、好きな作品の一つ、身体が真珠のようになり死ぬ謎の奇病が全世界に広まり、最初は怖れ排除された患者達が、やがて世界に出ていき…と言う話しだが、ビジュアルが凄く美しく、かつ謎の不治の病に対する民衆の怖れが生々しかった。
埋草甚一(U.J.)
2
時代を先取りしている。 昨今マガジンが力を入れている「百合SF]だし。 完結したばかりの『天冥の標』でもあた、難病罹患者・保菌者が宇宙空間へ行く構造とか。 そこに、伝統的な先住民のファンタジーが見事に織成されている。 とても美しい綾織りだ。2019/12/07
ホタテ様
1
高校生の時にこんなの読んだなぁ……と、思い出したので登録。初めて読んだハヤカワ文庫だと思う。
skeptical_sheep
1
読み慣れないSFに戸惑う。馴染みのない単語が多く、何を描写しているのか状況が分からない箇所も多々。最初の短編「真珠たち」はそれでも面白く読めたが、シリーズになってからは色々な要素が入り乱れすぎて、どれも中途半端な印象。結局、真珠病は死の病気なのか、それともコントロールできる病だったのか、精神的な感染はあり得たのか、それすら分からない。あと、割とグロい描写もあるので、しんどかった。2015/04/02