内容説明
24世紀後半の火星。地球文明の疲弊によつて頓挫した惑星改造計画により、火星に取り残された植民団の末裔たちは機械との共生社会を築き上げていた。人間と人工知性/自動機械―両者は支え合うことで火星に適応していった。そして知性ある機械生物ともいえるそれは〈ヴィートル〉と呼ばれ、人間と互いに助け合い、深く結びついて生きていた…。〈ヴィートル〉ローテ・ブリッツは不注意のために、共生関係にあった人間の相棒を盗賊団に殺されてしまう。ブリッツは復讐を誓い、新たな相棒ノルド・ヴェストとともに盗賊団に攻撃を開始する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
15
1990年の作品。機械生命を主人公に据えた作品。エンターテイメントとして本当に面白い。この時代の作品から、現在は進化出来ているのだろうか?・・・しみじみとそう思う。2013/01/18
むっち
4
日本SF50選で、この作品のプロローグの文書に出会わなかったら、きっと一生読まずに終わった作品だろうと思う。そして1990年代も良質のSFあったんじゃんと(出身を忘れて)声をだしてしまいたいような読後感。人間と機械の共生というテーマを通じて、生きることの意味を問い直すというと言い過ぎか?2016/10/01
タケミチ
1
アクションもののSFとして普通に面白かった。その上で、人と機械の共生というのがテーマになっているとともに、機械が自我を持つようになるテーマも含んでいる。2015/09/19
Masuhiro Harada
1
昔読んだのをKindleで再読。 メカ人情ものは大好物。 この頃は川又千秋、大好きだったなあ。2014/10/22
ジロリン
0
本作の、「操縦者が自分の乗り物と一緒に、心身ともに(機械のほうも)成長していく」っていう設定、今見るとちょっとエヴァっぽい。この時期の川又氏はこういうSFガジェットを使った小説がとても面白かった。2012/04/01