内容説明
地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に握る立場である執剣者。初代をつとめたもと面壁者・羅輯に代わり、程心は二代目の執剣者に選出される。だが、それは恐ろしい重圧をともなうものだった。やがて智子の導きのもと程心は思わぬかたちで雲天明と再会を果たす。人工冬眠と目覚めを繰り返し、次々に時空を超えた果てに程心が見たものとは。邦訳版累計部数100万部突破の壮大なる三部作ついに完結。
著者等紹介
劉慈欣[リュウジキン]
1963年、北京生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。『三体』が、2006年から中国のSF雑誌“科幻世界”に連載され、2008年に単行本として刊行されると、人気が爆発。中国のみならず世界的にも評価され、2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行された。2015年、翻訳書として、またアジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。“三体”三部作(『三体』『三体2 黒暗森林』『三体3 死神永生』(すべて早川書房刊))は、全世界で2900万分以上を売り上げた。今もっとも注目すべき作家のひとりである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
280
要シェープアップ。かな。いつなのか、何処にいるのか見失い気味で辛かった(悲しみ)。SFで扱われるモチーフが雑多に取り込まれていた様に思えたよ。例えば、旧式のライフルの弾に反物質が内蔵とか。質量が丸々エネルギーに交換されるの威力絶大‼︎ 丁重に扱わなくちゃ危ないよ。どうやって固定しているのか気になるね。でもフィクションだからと言わんばかりに無説明。木星軌道大の粒子加速器ね。大きいガジェットは正義かも知らんけど、加速装置はコース上に点在している様でね。間は加速出来ないんじゃ余り意味ないのではと思わせたり等。2024/07/30
yukaring
81
いよいよ完結!いまだかつてない壮大なスケールに大興奮。三体の地球侵略に対抗すべく立案された「面壁計画」今作はその背後で動いていた「階梯計画」をメインに描かれる。三体人たちの懐に人類のスパイを送るという大胆なその計画は果たして成功するのか?また地球と三体文明の二つの世界の命運を文字通りその手に握る「執剣者」の代替わり。この重圧を手渡した時に起こる悲劇とは?人工冬眠と覚醒を繰り返す事で時空を越え変化し続ける世界。そして最後に程心が見たものとは…。この壮麗な果てなきラストを見届けた余韻にしばし酔いしれたい。2024/08/15
ヒデキ
75
やっと、読了しました。 Ⅲは、今までの恒星間戦争が、さらにスケールアップしてしまいました。著者、どこまで話を持っていくのかと思った展開が、頭の中でイメージ作るのにとっても時間がかかってしまいました。 宇宙の存在の話にまでなってしまい、銀河の中だけですまない話になってきました。このスケールの話を真正面から作れる中国SFの凄さを感じてしまいました2024/08/22
いたろう
69
三部作と言いながら、Ⅱ、Ⅲが、それぞれ分厚い上下巻になっているので、実質的に五部作以上のボリュームのシリーズも、これで終わり。当初、Ⅰ巻の、4光年離れた星系から、400年かけて地球に攻めてくる三体人を迎え撃つ地球という設定が、壮大なスケールの話と思っていたが、それはほんの序の口に過ぎなかった。このⅢの下巻のスケールたるや、空間的にも時間的にもここまでになるとは。「天文学的」という言葉が、むしろ小さく感じられる程。しかし、それもとうとう終わり。次は、劉慈欣に公認されたという宝樹「三体X」も文庫化して欲しい。2024/07/03
Sam
64
完結編。IもIIもスケールの大きなストーリーでワクワクさせられっ放しだったがⅢはさらに桁違い。文字通り「次元」の違う話で、物語の行き着く先は「地の果て」、「時の果て」であり想像を絶する結末を迎えるのだった。ただ、ドラマチックなストーリー展開、魅力的な登場人物という点で、個人的にはII「暗黒森林」が最も好みかな。いずれにしても真夏の「三体」体験、本当に楽しい時間だった。次は何を読んだらいいのかしらん。2024/08/21