出版社内容情報
行方不明のベンダーの痕跡を必死で追うボブがうさぎ座イータ星系で発見したのは、全長数十億キロのドーナツ状巨大建造物だった!
内容説明
40年ぶりにエリダヌス座デルタ星系に戻ったボブは、自らが産みだした「ボブたち」がますます増殖し、多彩になっていることに驚く。それでも気を取りなおし、行方不明になって百年以上たつベンダーの捜索に旅立つ。そして数年後、ついにうさぎ座イータ星系で破壊されたベンダーの残骸を発見する。しかもその星系には、半径90キロ、全長十数億キロのシリンダー状の超巨大建造物が!果たしてベンダーはそこに囚われているのか?
著者等紹介
テイラー,デニス・E.[テイラー,デニスE.] [Taylor,Dennis E.]
カナダ生まれのSF作家。大手保険会社でプログラマーアナリストとして働いていたが、50代後半になって、幼いころから読みつづけていたSFを書きはじめた。2015年、最初のSF長篇Outlandを自費出版。その後2016年に刊行された『われらはレギオン1 AI探査機集合体』で、プロ作家としてデビューした。この作品は発売されるや、たちまちアメリカだけでなく世界各国でベストセラーとなった。2017年に勤めていた保険会社を退職し、念願の専業作家になった
金子浩[カネコヒロシ]
1958年生、早稲田大学政治経済学部中退、翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
62
昔のコピー機は、コピーした画像を何度も繰り返しコピーし直すと徐々に画像が劣化したものだったが、それと同じく進んだ技術で複製されたといっても複製を繰り返す毎に少しずつバグを生じるのだろう?いやそれも進化か?ボブの眷属たちも複製浮動に依って本来のボブから逸脱した価値観を持つグループが誕生したようだ。そして、行方不明の仲間の探索は異星人の建造した人工環境との遭遇により新たな局面を迎え…生命体への干渉を否とする非ボブのグループとの確執が表面化するなか閉ざされた世界の中で活動するレジスタンスに捕らわれたボブは…。2022/12/06
猿吉君
54
盛り込んだネタが面白過ぎる!感想は下巻に記載します。2022/12/27
姉勤
34
4作目ともなると冗長というより、主人公の冗長化の物語ゆえ、銀河規模でシステム化した個人が拡大し続ける中、自身の最初のクローンが消息を絶った星系を調査する。そこには16億kmを超えるシリンダー状の宇宙コロニーがあった。進化した技術は魔法に近いという喩え通り、なんでもありなので緊張も欠ける。バージョン違いのクローンの価値観の齟齬や同じテクノロジーを有するはずの地球産人類の動向も見えず、閉じた世界感があるが、詳らかにするには0.01秒が1日に相当するこの世界の連中でなければ作者及び読者のキャパシティを超えるか。2025/01/15
ひさか
26
2020年11月刊のHEAVEN'S RIVERを翻訳し、2分冊化して2022年4月ハヤカワSF文庫から刊行。シリーズ4作目の上巻。誘拐されたと覚しきベンダーを探すボブ達…。のわりにはのんびりした展開で、シリンダー世界の中の田舎を探索してまわるボブ達。そしてボブ集団の中の不協和音が響いて来て…。とりとめのない展開で、ちょっとどうかな~と思いながら、先が読めないまま下巻へ。2022/07/22
わたなべよしお
16
ボブ、久しぶり。続きがあったとは知らなかった。今回は消えたボブの一人の捜索と、ボブ・ヴァース内の分裂と内乱が同時並行に起こる。相変わらずの(真剣さを秘めた、いい加減さとてもいうような)語り口は健在で、とても心地よい。ただ、上巻を読んだ限りでは、前3冊に比べると、ややアイデアが平凡かなぁ。あくまでも現時点でということだけど。2022/04/09