出版社内容情報
ディック、ニーヴン、ライバー、エムシュウィ
ラー、アンダースンらの挑戦的な作品を収録し
たSF界のカリスマが放つ伝説的アンソロジー
内容説明
いまあなたの手にあるのは、単なる本ではない、それは革命だ―奇才ハーラン・エリスンが、英米SF界の変革を試みた、原書で全23万9000語におよぶ書き下ろしアンソロジー。本書はヒューゴー&ネビュラ両賞受賞のライバー「骨のダイスを転がそう」をはじめ、ロドマン、ディック、ニーヴン、ヘンズリー、アンダースン、バンチ、クロス、エムシュウィラー、ナイトによる計10人11篇を収録した3分冊の第2巻。
著者等紹介
エリスン,ハーラン[エリスン,ハーラン] [Ellison,Harlan]
1934年、オハイオ州生まれ。10代後半からSFに興味をもつ。1956年インフィニティ誌に短篇が掲載されたのを皮切りに多数の作品を発表、全作書き下ろしの巨大アンソロジーである『危険なヴィジョン』(1967)を編纂して、アメリカSF界を代表する存在となった。作家としてばかりでなく、批評家・TV番組のシナリオライターとしても活躍。独特のスピード感あふれる文体でアメリカSF界きっての鬼才と称されるエリスンの作品は、数多くのヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞している。2018年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
33
19年(令和元年)の税抜1200円の青背初版。分冊翻訳化再挑戦版の2巻目。原題の“危険な”に掛かるネタが多くノッている。ディックの管理社会の抑圧感は十八番。ニーヴンは“ノウンスペース”物の臓器移植過渡期の一作。ライバー猫と言えば“ガミッチ”物だが今回はミスター・ガッツで、この猫は本編と無関係。サイコロ賭博の隠れプロのジョーと大物ギャンブラーの勝負の行方は…。アンダースンの性的オチは、現代SFでは性転換や人体改造すらあるからやや弱い。クロス、エムシュウィラーと続いて盛り上がるもナイトは尺が短い。★★★★☆☆2023/03/15
くさてる
28
エリスンのアンソロジー第2集。わたしにとっては1集よりも好みのお話が多くて良かったです。ロドマン「月へ二度行った男」のもの悲しさ、さすがとしかいいようがないディック「父祖の信仰」勢いがいいライバー「骨のダイスを転がそう」……しかしなによりも素晴らしいのは、エムシュウイラー「性器および/またはミスター/モリスン」とジェイムズ・クロス「ドールハウス」。まさに危険。この二篇を読めただけでも手に取った価値はありました。2019/08/31
阿部義彦
23
積読になっていた本を年末大掃除のつもりで処理してます。完全版として今回全3巻が刊行されて、過去には1巻の翻訳のみで止まっていたので以降の2、3巻は幻の本となっていたので今回の完全版訳出には感慨深いものがあります。時代的古さはかくせないものの、K・ディックの『父祖の信仰』は再読では有りましたがやはり突出しています。独裁者による信仰を絡ませた民衆の管理の裏側を独自の酩酊を帯びた文体で書いてお見事としか言えません。割とホラ話や神話的な形を借りた作品が多いのも特徴です。ジェイムズ・クロス『ドールハウス』も良い。2022/12/25
ヴィオラ
14
ハーラン・エリスンのお喋り(序文)は、個人的には割とどうでも良いんだけれど…(まぁ、それも含めてのアンソロジーなんだろうけど…) 個人的、という点で行くと、ディックの短編はやはり抜群に面白くて、「ディックは短編!」という、個人的な見解ですw あと、アンソロジーとかで読むたびに、デーモン・ナイトって面白いなと思います。いい加減に「ディオ」を読まないと…と、これも毎回言ってる気がする…。 あと、ハワード・ロドマンは、もっと読んでみたいな。2019/09/22
kurupira
11
半世紀も前の短編集第2巻だが、1巻より読みやすく楽しめました。SFでは未来の出来事を描くことが多いが、現在でも違和感なく読めたいうことは、作者たちの想像力や作家として力量が素晴らしいということの証明になるかと。やはりディックとニーヴンが特に良く、でも他の作品も寡作揃い。3巻ではどんなヴィジョンが待っているのか。2019/10/22