出版社内容情報
ピーター・トライアス[トライアス ピーター]
著・文・その他
中原 尚哉[ナカハラ ナオヤ]
翻訳
内容説明
メカパイロットになるための苛酷な訓練が続くなか、誠は旧友のドイツ人留学生グリゼルダと再会する。だが、アメリカ東海岸を支配するドイツと日本合衆国の関係は不安定で、それが彼女との仲に影を落とす。ドイツは遺伝子操作した生体組織由来の機体を操縦者と直結するバイオメカを開発し、皇国攻撃の機会を狙っていた。全面戦争の危機が迫るなか、誠はバイオメカと対決するはめに…。衝撃の改変歴史SF。
著者等紹介
トライアス,ピーター[トライアス,ピーター] [Tieryas,Peter]
サンフランシスコ在住の韓国系アメリカ人作家。幼少期から日本の映画やゲームにしたしみ、その影響は星雲賞受賞作の前作『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』や『メカ・サムライ・エンパイア』に色濃くあらわれている。カリフォルニア大学バークレー校で学んだ後、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『アリス・イン・ワンダーランド』などでキャラクター・アーティストを務めた経歴をもつ
中原尚哉[ナカハラナオヤ]
1964年生、1987年東京都立大学人文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆかーん
44
上巻から一変!まるで『ガンダム』のアムロレイを見ているような、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジを見ているような世界観。いじめられっ子のマックが、一人前の操縦士として成長する姿を存分に楽しみました!これはアニメにしたらハマりそう(笑)私の大好きな『高い城の男』を題材にしているところも素晴らしい!SF、ロマンス、バイオレンス、ヒーロー、アクション、全てが詰まっているから、色んな面から楽しめました!日本人よりも日本人らしいストーリーに、ピーター氏は実は日本人ではないかと疑いたくなりました(笑)続編に期待!2019/06/28
sayan
28
著者の後書きで次作の構想も書いてあり出版が楽しみ。日本の様々なサブカルに影響を受けただけあって、上巻以上に下巻は既視感が半端ない。あの作品、この作品、ひとつひとつ言及していくときりがない。下巻はストーリー展開もテンポよく、前作とは比較にならないほどエンターテイメント性が高く、楽しめた。先日、押井守氏の「哲学がなければただの商品」という発言があった。本作の著者は押井等の濃い作品に影響を強く受け、前作ではそれが主役になりすぎストーリーがすっきりしなかったかもしれない。本作は著者のオリジナリティがしっかりある。2018/06/10
活字スキー
24
【眠る場所と家族を養える収入があればそれでいい。日々の生活のまえでイデオロギーは関係ない】様々な困難を経て、ようやく念願叶ってメカ・パイロットとしての道を歩み始めたマック(不二本誠)。大観衆に囲まれての試技会、新たな出会い、そして再会。今度は学園ものだ!と言わんばかりのラノベ展開が続くが、やはりそこかしこに漂う著者のこじらせ在米コリアンのニオイと共に、歴史改変具合にしろ日本のサブカルネタにしろ、とにかくマジなのかネタなのか掴み辛い距離感が妙なクセになりそう。電磁ヨーヨーて。 2018/05/22
緋莢
22
テロ組織「NARA」とナチスのバイオメカ襲撃から生き残った誠は、民間の警備メカパイロットから士官学校へと移ります。高校時代の同級生・範子や、「史上最高のメカパイロット」の名を母親から継いでいる久地樂ら個性豊かなキャラクターが登場。学生たちが競うメカ競技会の場面も良かったですが、終盤のバイオメカとの戦いが熱かったです。高校時代の同級生・グリゼルダから明かされたバイオメカの秘密、仲間の死など読み応えがありました。ナチスとの関係が徐々に不穏になっていく中、続編があるようなので、期待したいです。2018/08/04
ひびキング
16
アングラな雰囲気の前作に対して「宇宙の戦士」をも彷彿させるミリタリーSFの新時代到来か、と思わせた上巻だったが、日本のアニメやハリウッド映画の影響を強く感じさせるロボットエンタメに着地。しかしながら異なるアプローチの作品群で一つの世界観を創造しようとしている試みが感じられ、次作も大いに期待。日本人が苦笑しちゃうような日本的な表現て欧米の作品によくあるけど、実はもの凄く的を得ているのかもしれないと感じるのは、著者がアジア圏にルーツを持つからかな?2018/06/29