出版社内容情報
臨死体験を科学的に検証するため、認知心理学者のジョアンナは、自ら実験台に上るが!?
内容説明
マーシー総合病院で、臨死体験者の聞き取り調査を行なっていた認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードから新規プロジェクトへの協力を求められる。NDE(臨死体験)を人為的に発生させ、その時の脳の活動を詳細に記録しようというのだ。しかしその実験にはトラブルが続出し、被験者が不足してしまう。ジョアンナはみずからが被験者となることを申し出るが、彼女が疑似臨死体験でたどり着いた場所は…!?
著者等紹介
ウィリス,コニー[ウィリス,コニー] [Willis,Connie]
1945年コロラド州デンヴァー生まれ。1967年、北コロラド大学卒業後、教師をつとめるかたわら小説を発表しはじめる。短篇集『わが愛しき娘たちよ』収録の「見張り」でヒューゴー賞・ネビュラ賞を受賞。1992年の『ドゥームズデイ・ブック』は、史学部の史学生の中世への時間旅行を描き、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のトリプル・クラウンを達成。『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹篇である、1998年発表の『犬は勘定に入れません』は、ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した
大森望[オオモリノゾミ]
1961年生、京都大学文学部卒、翻訳家・書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆかーん
73
宮部みゆきさんが絶賛するのも納得でした!読めば読むほど続きが気になってしまう、SFサスペンスです!臨死体験を研究しているジョアンナは、被験者不足のため自らを実験台にして臨死体験を行います。トンネルや光、天使など初めは漠然としていた意識の残物が、徐々に輪郭や意思を持って現れ、彼女が見たものの正体が明らかとなっていくのです。「私はその世界を知っている」と語るジョアンナですが、「どこだか分かるけど、一度もいったことがない」とも言うのですから、摩訶不思議です。彼女が見たものの正体が気になるところで下巻へ続きます。2017/04/15
いちろく
48
紹介していただいた本。臨死体験の原因と働きの解明の物語のはずが、、、展開が想定外の所に進むのもSF作品として面白い所。大森望さんの訳との相性が良いのか、ページ数的に長い物語を長く感じなかった。下巻も既読済なので、伏線と思われる所に気がつけたのも再読時の楽しさ。 2017/11/14
夜長月🌙@読書会10周年
45
幽体離脱を含む臨死体験を科学的に追究する医学者たちの物語。あの世とは何か?正解がないだけにどういう結末になるのか気にかかります。架空の医学実験ではありますが、幽体離脱が起こるとしたらそれを実証するための実験上の不備を指摘するところなどとてもリアル。緻密に積み上げてデータ収集してきたのに答えはなんと!これで終わるはずはない。終わったら許さない。下巻へ。2016/12/23
みや
44
読書会紹介本。臨死体験を科学的に調査するため、擬似臨死状態を作り出す実験を試みる医療SFサスペンス。とにかく真相を知りたくて、もどかしさの連続に悶えながら、衝動に駆られるがままにページを捲っていた。難解な医療用語も私を止められない。迷路のような忙しない病院に集う個性的な登場人物たちに序盤から心を掴まれ、そのまま臨死体験の世界へと曳き込まれていった。要所要所で挙がる映画の話題も面白い。入退院を繰り返すメイジー、危険なERで働くヴィエルなど、あまりにも死に近すぎる人たちが下巻で呑みこまれやしないかが不安だ。2017/03/09
とも
41
稀代のストーリーテラー コニー・ウィリスのスゴ本。 死んだらどうなるのか、臨死体験者へのインタビューでそのメカニズムを解明しようとするが…というお話し。 本を読む楽しさ面白さにあふれており、これまでたくさん本を読んできた人向けのご褒美本のように感じる。それくらいの本。2023/06/01