内容説明
2303年、イラベル・ベーダ船長が乗り組む旅客星間船イロンデル号は、ハイパー豚の宇宙海賊セブンの罠にかかり、辺境の彗星上で捕獲されてしまう。信頼を寄せていた副長マルカリアンの裏切りで、冷凍睡眠処置をされた乗客の一部を連れ去られたイラベルは、マルカリアンと乗客を追って、遙か銀河の果てへと向かった。数万年におよぶ銀河の追跡行を無類のスケールで描いた表題作ほか、5篇を収録する宇宙史作品集・完結篇。
著者等紹介
レナルズ,アレステア[レナルズ,アレステア][Reynolds,Alastair]
1966年イギリスの南ウェールズ生まれ。ニューカッスル大学で物理と天文学を学び、スコットランドのセントアンドリュース大学で天文学の博士号を取得した。1991年、オランダに移住し欧州宇宙技術センターに入社。その前年の1990年、「インターゾーン」第36号に掲載された短篇“Nunivak Snowflakes”で作家デビュー。以来、兼業作家として短篇の発表を続け、2000年に『啓示空間』で長篇デビュー。たちまち注目を集め、翌年発表した第2長篇『カズムシティ』で英国SF協会賞を受賞。その後も重厚な長篇SFを発表し、現代英国SF界を代表する俊英として高く評価されている
中原尚哉[ナカハラナオヤ]
1964年生、1987年東京都立大学人文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuji
7
短編集の後半。珍しく舞台が開放的空間の「ターコイズの日々」が一押し。パターンジャグラーの神秘的要素を堪能できたし。か「グランフェンワンダー」かな。人魚のネタは冨樫さんの「レベルE」を連想しましたね。ただ世界観に慣れてきて、驚きという点では、前作のが良かったように思う。というか、並べるなら素直に発表順でいい。繋げるのは読者がやるから。稚拙な初期のものがいきなり出てきても戸惑うばかりです。2014/10/31
記憶喪失した男
6
「時間膨張睡眠」が面白かった。2014/08/28
レンズマン
4
タイトルの短編はバクスターっぽいスケール感あるまさにSFというべき作品ですね。「ナイチンゲール」はタイトルとは裏腹なグロテスクでレナルズらしい作品。2013/05/10
まなな
3
エグイのが多いかも スケールがでかくて相変わらず景気がよくていいね2025/02/04
猿吉君
3
いろんなジャンルの話が「SF」という縛りでミックスされていて中編集としてなかなか面白かったです。「火星の長城」を読んでから読むと再登場の人とかが思わぬところで出てきたりしてニヤリとしちゃいました(^u^) 点数:80/100 2020/03/23