内容説明
クロマニヨンが絶滅し、かわりにネアンデルタールが進化した世界で、量子コンピュータの実験をしていた物理学者ポンターは、不慮の事故でいずこかへと転送させられてしまった。一方、カナダの地下の研究所で実験を行なっていたルイーズは、自分の目を疑った。密閉した重水タンクのなかに異形の人物がいきなり出現したのだ!並行宇宙に転送されたネアンデルタールの物理学者の驚くべき冒険とは…?ヒューゴー賞受賞作。
著者等紹介
内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山川欣伸(やまかわよしのぶ)
13
物語の幕開けは、ネアンデルタール人の物理学者ポンターが住む平行世界から始まります。彼の宇宙では、ネアンデルタール人が進化の頂点に立ち、クロマニョン人は遥か昔に絶滅しています。量子コンピュータの実験中のアクシデントにより、ポンターは我々の世界へ転送されます。ここでカナダの研究者ルイーズと出会い、異なる文化を超えた交流が始まります。ポンターの社会構造や法廷の様式を通じて、ネアンデルタール人の文化に触れることで、人間性に光を当てています。物語は伏線をたくさん含み、今後の展開に期待が高まります。2024/03/08
duzzmundo
8
結局のところ、ソウヤーってどれを読んでもおもしろいですよね。並行世界からやってきた進化したネアンデルタールと我らがホモ・サピエンスが出会う物語です。お得意のミステリー色を交えながら、良質なエンターテイメントに仕上がっています。別の並行世界ではホモ・サピエンスが絶滅し、ネアンデルタールが生き残ったという設定もおもしろいですね。三部作なのですかさず続きに入ろうかと思います。2025/06/24
おっとー
6
並行世界のネアンデルタールがサピエンスの世界に来る胸熱な物語。「イ」の音が話せない、狩猟社会、非暴力的、鋭い嗅覚など、ネアンデルタールっぽさを随所に組み込みながらサピエンスを相対化し、その愚かさを暴きだす。マンモスの絶滅やチンパンジーへの殺戮にポンターが沈鬱になる場面は印象的だが、しかしどうして我々はこうも他種を徹底的に絶滅に追い込むくせに、数が少なくなると稀少だなんだといってチヤホヤするのだろう。どこが「サピエンス(賢い)」なのか。各章冒頭のポンターに関するゴシップが、その愚かさを如実に示している。2018/03/09
白玉あずき
4
まずい、続編読まなきゃ気持ちが完結しないぞ。こんないい所で終わるなんて。2013/04/03
tama
4
面白い 文句なし2012/05/02
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