内容説明
企画段階では、最初HALは人型ロボットだった!?モノリスの当初の形は…!?映画『2001年宇宙の旅』は、クラークにとって完全主義者キューブリックとの悪戦苦闘の4年間であった。その映画製作過程で失われた膨大なオリジナル小説原稿に加えて、キューブリックとの出会い、共同作業による構想、執筆過程での様々なエピソードなどをまじえ、クラークみずからが語る、ありえたかもしれないもうひとつの『2001年宇宙の旅』。
目次
第1部 キューブリックとわたし
第2部 人類の夜明け
第3部 HALの誕生
第4部 木星への旅
第5部 スター・ゲートを抜けて
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- 評価
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えか
63
『2001年宇宙の旅』には、当時の映像技術の限界で、キューブリックによって映像化を断念、破棄された数多くのアイデアがあった。この数々の映画の変更は、同時進行という、この本の特徴上、もちろん、小説にも影響した。この本はその破棄された小説版のアイデアの一部を集めたものである。読めばわかる通り、そのアイデアの一部は、CGIなどの今の技術で、充分再現可能ではある。が、それが撮影出来たとして、果たして、その映画が今のあの映画の如く、オールタイムのベストに選出されるような名画になり得たのだろうか。⇨ 2024/12/13
Vakira
39
2018年は「2001年宇宙の旅」が公開されて50周年。2001年関連の本が出版された。それを読む前にこれを読んどかんと。と思いはあったがずるずるとやっと読みました。2001年の没アイデア集。多重世界として楽しめます。久々のクラーク クラークの文章は文学的ではないとか言われたりしますが、いやいやどうして宇宙についての表現は詩人のそれ、詩的で単なる解説でさえ感動してしまう。嬉しいのは2001年宇宙の旅の発端アイデアとなった短編「前哨」掲載。 更にクラークの今まで気付かなかった一面を垣間見た。 2019/05/29
モトラッド@積読本消化中
33
★★★ 『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』として、アーサー・C・クラークが綴る、SF映画の金字塔『2001:A Space Odyssey』の制作秘話。これを読むと、この映画が、如何に様々な要素をそぎ落としたのかが分かります。削られた膨大な書き下ろし原稿の捨遺(訳者あとがき)、つまり、あり得たかもしれない複数のアナザーストーリーを、同じ時系列でまとめています。もしこのサイドストーリーを元に、この映画が創られたならば、それは、良く出来た、しかし如何にも在り来りなSF映画になっていただろうと思います。2017/09/16
ニミッツクラス
23
00年(平成12年)の税抜780円の青背初版。クラークの小説が先にあって、それを元にキューブリックが映画化した…と言う思い込みは仕方ないよね…それが普通だもの。映画の方は、浜松はロードショー館のない田舎都市で、お陰で入替えなしで2回見た(シリが痛い)。前半に比して最後の方のやっつけは何なのだと思った。本書を読んで納得してもモヤモヤは残るけど。「前哨」は伊藤氏の新訳。骨の棍棒から人工衛星へのフラッシュ・フォワード場面のいきさつ、乗組員の生存バージョン、巧みな構成で埋もれた2001年を堪能できた。★★★★☆☆2021/08/16
ヒデキ
16
映画「2001年宇宙の旅」の作家側からのメイキング本です。キャラクターの描かれなかったバックボーンや映画も素になった没ストーリーを短い小説にした話です。ストーリーは映画と同じ流れで構成されているので判りやすかったです。難解と言われるこの映画がどうやって作られていったのか推測することはできますが、何故、最終形になっていったのかの過程ももう少し判ればなあと思いました。2020/07/15
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