内容説明
未来の太陽系に到着した「グレート・ノーザン」の一行は、太陽の中に住まう女性リゼールから驚くべき事実を告げられた。恒星を抹殺しているのは、人類とは全く異質な暗黒物質生命だというのだ!これに対抗できるのは宇宙の支配的種属ジーリーのみ。かくして一行は一縷の望みを託し、宇宙の彼方にあるジーリーの拠点、謎の建造物「リング」へと赴いた…!ハードSFの気鋭が驚異のタイムスケールで描く、未来史の集大成。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山像
4
圧巻。時空の非連続性を推進力にする航法や、バリオン物質生命と暗黒物質生命の数百億年に及ぶ戦い、超ひもで造られた直径1千万光年の光速で回転する構造物等、イメージ可能性を真っ向から拒否するくらいにぶっ飛びすぎているアイディアの奔流より成る超絶ハードSF。そして上手いなと思うのは、華々しいギミックだけではなく、為す術もなく衰退に向かっていく人類(丁度恒星の老化現象と重ね合わせになっている)の無力さ・悲哀といったテーマが全編徹底している点。これがあるのでラスト付近の楽天的ともとれる展開も効いてくる。大傑作と思う。2013/03/01
サスケ
3
★★★★☆ □バリオン宇宙の黄昏。 ポール・アンダーソン『タウ・ゼロ』に並ぶ壮大さと、それに対してアンバランスな話の殺伐さ、ぎこちなさ。 それでもこれは好み。 □人類を含む他のバリオン知性体がリングまで到達したなら、たぶんジーリーはこれを別宇宙へ送り出そうとしていたのではないか。 ジーリーと人類間に少しだけ身内感があってほっこりした。 一番感情移入できたのはスピナーかな。 いくらエンバイロンメントスーツが高性能だからといって、超人的な我慢を強いられているようでかわいそうであった。2017/03/27
あいちょ。
3
お客様から拝借。 やっと読了。 これはちょっと読み辛かった。 頭に入ってこなくて困りました。2016/05/16
多摩犬
1
再読 ついにジーリーとフォティーノバードの最終決戦の結末が描かれる、輝かしい負け戦の記録 直径一千万光年の宇宙ひもで作られたリング、中性子星ミサイル、銀河系スライサー、とにかくスケールのでかいSFガジェットの目白押し よくこんなこと考えるなあと感心する 天の筏、フラックスにも言及しているうれしいね2023/10/31
レイス
1
上巻よりはまし。太陽系や銀河系、果ては宇宙の終わり近き未来の観光をしたようで楽しかった。宇宙ひもは知らなかったので勉強になった。学生の頃に読んだら架空のものと勘違いしただろう。今でもまだ難しいsfが多々ある。解説に助かった。ハードsfとしてとても刺激的で読者としては楽しい展開なのに、登場人物が悲観的というか、責任感だけで仕方なく行動しているようで楽しさが削がれる。「タウ・ゼロ」も似た感じでしたな。2018/01/03