内容説明
発見当初、惑星エピメテウスは自転していないとみなされ、人々は大量の放射線を浴びる昼側を避けて夜側にナイトサイド・シティを築いた。が、その後の調査で惑星の自転が判明。シティは遠からず昼側に移動し、居住不能となる運命だ。シティの片隅で探偵稼業をいとなむカーライルは、ある日依頼人からシティ買い占めの動きがあることを聞く。“夜明け”を間近にしていったいなぜ…。タフな女探偵が活躍するミステリSF。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
29
93年(平成5年)の税抜505円の青背初版。女性主人公シンによる2300年代のオプ物。連星系エータ・カスの惑星エピメテウスは潮汐平衡で自転していないと思われ、夜の側に街がある。実際には1m単位で動いており、街は近々地獄に。ところが廃棄近い街で地上げが進む…土地買い占めの裏には何があるのか? 恒星間航法には触れず、通信も光速を超えない。他方で人体を一から作り直すほどの技術がある。主人公シンの思考過程を逐一文章にしてあるので内容は実質半分だが、初見の所見としては面白い。日本人?が結構出てくるよ。★★★★☆☆2024/03/29
陽介@中四国読メの会参加中
4
SFハードボイルド。雰囲気はありましたけど、事件の真相とか探偵役のとる行動とかちょっとイマイチでした。当初してないと思われていた惑星の自転が判明したため、遠からず昼側に移動するため緩慢に滅んでいく定めにある街という舞台設定は魅力的でしたけど。もっと、ずっと夜側にある街の描写がなされてたらまた一味違ったんでしょうけどね。ちょっとスッキリしない読後感。2013/05/02
Small World
3
滅びゆく街「ナイトサイド・シティ」を舞台にしたハードボイルド。なかなか面白かったです。2009/11/11
ヒロフ162
3
タイトルのクールな響きに惹かれ、手に取った。SF女私立探偵もの。自転しない惑星の夜側の都市が舞台という設定にはワクワクさせられた。しかし、主人公による調査のほとんどがネットによる、卓上で行われたのには、少しガッカリ。でもまぁ、仕方ないのかも……2014/10/08
うに丼
2
古本屋でたまたま買った古いSF小説です。けっこう面白かった。 自転してないと思ってた星が、実はすごーくゆっくり自転してたっていう設定、監視用の飛行物体や空飛ぶタクシーなど、SF要素たっぷりなところも良かった。主人公の行動は大胆すぎてツッコミ入れたくもなる箇所もありましたが。 翻訳も良く、読みやすかった。2020/02/17