ハヤカワ文庫<br> ディック傑作集〈2〉時間飛行士へのささやかな贈物

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ハヤカワ文庫
ディック傑作集〈2〉時間飛行士へのささやかな贈物

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150109110
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

アメリカで行なわれた国家的なタイム・トラベル実験で、タイム・トリップ中に爆発事故が起きた。ひとつの空間に同時に複数の物体は存在できないという原則を破ってしまったらしい。時間飛行士たちの運命は…。表題作。ある日チャールズは、ガレージにいる父親がふたりになっているのに気がついた…。「父さんに似たもの」など、読む者を現実と非現実のはざまへと引きずりこむ、名手ディックならではの悪夢にみちた9篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

34
パーキー・パットの日々の分冊下巻。九編のうち三編既読。「父さんに似たもの」=誰もがおぼろに感じたことのあるであろう題材をひとつのストーリーとして昇華したもの。単純ゆえの怖さ、面白さがある。「自動工場」=忠実である反面融通が利かないのがロボットであるという、破壊的な状況にあって当意即妙が得られないことへの不安が伺える。不完全なオートメーションと感情的とも思えるロボットの戦争、悪夢のようなゆがんだ食い合わせ。2018/04/17

ふりや

16
タイトルこそ爽やかな感じがするものの、内容はやはりディックといった悪夢的だったり不条理だったりする9篇。長編より短編をひたすら書いていた時期の作品集なので、切れ味鋭く、各篇のアイデアもユニークです。特に、世界と自身の存在に疑念を抱く主人公を描いた『電気蟻』や、時間SFとしても面白く、もの悲しい雰囲気の表題作『時間飛行士へのささやかな贈物』などはクオリティが高く、そのまま長編に広がっていきそうな勢いがあります。巻末の『著者による追想』でのディック自身による作品の解説や小説観もとても興味深く読みました。2022/08/03

ニミッツクラス

10
ディックの短編集の邦訳版4書の2作目。77年のThe Best of Phillip K. Dickの2分冊の2巻目となる。カバーの背景は「自動工場」のカンサス・シティ工場のイメージか。読み易くて、中高年でも負担がない。本書の巻末には著者の77年版19作へのコメントが寄せられている。「・・ブローベル・・」ではヘンリーの「賢者の贈り物」の男女を連想したが、著者としてはアイロニーを込めたそうである。「人間らしさ」がお気に入り。親切(私は思いやりと解釈した)がヒトか否かを区分するための信条・・素敵。★★★★★☆2012/06/22

大路 隆

5
ナイス! ウイット ディック2013/12/10

スズメタケ

4
どれも陰鬱としたディック節の効いた短編集。ただ、読みやすさとかインパクトなら「まだ人間じゃない」「パニーパットの日々」のほうが上かもしれない。ただディックらしさは此方が上「電気蟻」の現実世界の脆さや虚無感は素晴らしかった。2014/06/03

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