内容説明
太陽。6000度の表面温度。燃えたぎる核融合の炎…その太陽に、知的生物が住みついている!?そしてその種族こそが、人類に知性を与えたのち姿を隠した謎の種族かもしれない。この銀河史最大のミステリーを解く鍵を求めて、〈サンダイバー計画〉が実行に移された!かくして地球人科学者ジェイコブ・デムワは、銀河列強種族らと鏡面球形船“サンシップ”に乗りこみ、灼熱の業火が渦巻く炎熱地獄へと決死のダイビングを試みたのだが…!?ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く『スタータイド・ライジング』とともに壮大な未来史を構成する、俊英の傑作宇宙SFついに登場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
21
連休。昔、楽しんだデイヴィッド・ブリンさんに久方ぶりに手をつけることにしました。サンダイバーは30年以上の作品ですが、今でも十分面白い。知性化戦争につながる世界観の創造力は凄いと思うし、太陽に住む知的生物というのも興味をそそられる。とはいえ、この本はそれだけじゃなくて、過酷な宇宙で弱小孤児種族である人類が生き抜くというのが、より大きなテーマになっている。その点ても楽しめます。2021/04/29
BUBI
15
面白そうな「スタータイド・ライジング」を読む前に、と第1作を読んだのですが、この話も「前作」があるような感じがあちこちにあってモヤる。こういう「匂わせ」は超人ロックだけでお腹いっぱいなんだけどなぁ(苦笑)。人類が今の人類となるのに、独自の進化をしたのか、それとも地球外生命体の「知性化」によるものかという話はすごく面白くて、出てくるET達も個性的で楽しいのだけど「殺人(?)事件」が起こった辺りからついていけなくなって読み飛ばしました。結局ソラリアンって何だったのか分からないままですがこれ以上を読む気力なし。2022/08/14
duzzmundo
9
知性化シリーズ、一作目。宇宙の知的生命体は、「始祖」によってすべて知性化されたとされ、ファーストコンタクトの時点で自ら知性化を果たしていた人類は異端とされていた。太陽に知的生命を発見した人類は、サンダイバー計画で未知の生命体と遭遇し・・・という感じのシリーズ一作目。ぜんぜんハードではないので気楽に読めます。内容的にはほとんど宇宙船内での犯人探しミステリで、シリーズとしての本番は2作目以降らしいです。そんなわけで今年はこのシリーズも読み進めてみる予定。2020/01/03
スターライト
8
デイヴィッド・ブリンの第一長篇にして、彼の未来史の一篇。『スタータイド・ライジング』の200年前を舞台に、ジェイコブらによる<サンダイバー>計画の全貌を描く。太陽に住む生物ソラリアンとの接触を図ろうとする人類と、それを妨害する異星人。両種族の間には、科学力の差が相当あるはずなのにそれがあまり感じられず、現代人と変わらない異星人のメンタリティという設定もご愛嬌。ここはひたすらこの計画の手に汗握る展開を楽しむのが吉。そう考えると、面白かった。2012/09/04
あかつや
4
太陽に何やら生物がいるようで、もしかしたらそいつは人類に知性を授けた上位の存在かもしれない、というわけでその謎に迫るために太陽に降下して調査する「サンダイバー計画」が実行される。かなり無茶な感じの設定だけど、これは紛う方なき現代科学の延長線上にあるハードSF。それでいて話にはかなり意図的に探偵小説の要素が盛り込まれているし、クライマックスの大立ち回りはアクション物のような勢いがあって、かなり盛りだくさんな内容。読んでてすごく面白かった。色んなタイプの異星人がいて、彼らとのコミュニケーションの場面も好きだ。2021/08/11