ハヤカワ文庫<br> 魔法株式会社

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ハヤカワ文庫
魔法株式会社

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150104986
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

16
電力伝送を無線で行う未来社会で、原因不明の事故が多発。電力会社の技術責任者であるジェイムズは、会社と因縁のある変人発明家ウォルドウに助けを求めるが、彼が見つけ出したものはとんでもない真実だった・・・「ウォルドウ」。もう一つの中編(表題作)とともに、ハインライン初期の作品集であり、科学と言うより超常現象を扱っているとも読めて、いつもの作風とはちょっと違った印象。とあるシーンを読んでいるときに、なんか既視感があると思ったら、先週(2019年12月)封切りのとある有名シリーズになんとなく似ているのではと・・・2019/12/30

ヒダン

15
『ウォルドゥ』と『魔法株式会社』の中編二つ。そういうのが伏線なのかというSF独特の伏線にびっくりし、冒頭のシーンに物語が収束したときには見事過ぎてちょっと放心した。冒頭の場面はストーリーに関係なくて忘れていたのでインパクトがあった。中編にしては壮大かつ精巧で面白かった。表題作はファンタジーで魔法を使った商売の話だけど現実のどろどろした部分への批判が印象に残る。魔術も科学もテクノロジーだと思えばSFと同じように書けるのだろうか。しかしファンタジーな分だけややご都合がよいかもしれない。2016/09/23

ふりや

9
久し振りのハインライン。かなり昔に『夏への扉』や『宇宙の戦士』を読んで以来です。中編を2作収めた作品集。『ウォルドウ』は身体に障害のある天才科学者が超現実的なエネルギーを開発し、自らの肉体のハンデをも乗り越えていくという話。最初は鼻持ちならない感じだったウォルドウがどんどん人間味に溢れいく様子が良く、ラストの描写も好きでした。『魔法株式会社』はファンタジー風の作品で、日常に当たり前に魔法が存在する世界という設定がなかなか面白い。後半は悪魔との戦いを描いているのですがそれもコメディ風で楽しかったです。2020/04/30

roughfractus02

8
リモート・マニピュレーターは魔法から発想されているのかもしれない、と思える2つの中編が本書に収録されている。「ウォルドゥ」(1942)では、筋無力症の科学者が重力の弱い地球軌道上で生活し、微弱な力を増幅する装置を開発する。一方「魔法株式会社」(1940)では、ビジネスにも活用される魔法を用いて同業者同士が争う世界で、主人公の商売を邪魔する黒幕が魔法の独占使用する法案を提出する。人間の能力拡張の面では魔法は科学の前身であり、個人はその政治的独占に抗うという作者の考えは「ウォルドゥ」後半の展開にも垣間見える。2023/12/16

SINKEN

8
【総評】★★★★★【感想】「ウォルド」と「魔法株式会社」の2本を収録。前者はSFらしいギミックや宇宙での活動を描いたいかにもハインラインのお家芸的な作品。後者はタイトル通り、魔法を題材としたファンタジー色の強い作品。科学と魔法を扱いながらも、現代社会や政治への痛烈な批判を込めた風刺作品となっている。読みやすいし、何といってもハインラインの先見性の高さが際立っていてとても面白かった。2020/12/10

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