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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
46
ノースウエスト・スミスの女難はまだまだ続く。単眼・羽毛睫毛のジュリに始まり、古代火星の神にとり憑かれたジュダイ、木星の衛星ジャングルの炎の化身イヴァラまで。頼れる相棒ヤロールも活躍。それにしてもノースウエスト、巻き込まれて苦境に陥り、精神力で凌いでいるうちに助けられている・・・というパターンが。まぁ、滅法無敵という主人公より親近感が湧きますが!!2019/08/21
ニミッツクラス
36
72年(昭和47年)の200円の白背初版。カバー等は松本氏。13編あるNWスミス物の中期(1935-36)の4編を収録。本書を読むと、前巻のシャンブロウがいかに取付き易かったかが判る。本書の4編は活劇的要素が無く、観念的とも言える人智を超越した生命体を相手に尻子玉を抜かれるような状況から生還できたのが不思議なほどだ。後半の2編は相棒の金星人ヤロールも登場で、互いの扶助で死地を脱するのはお約束。「イヴァラ」では美女奴隷の産地の調査を請け負い、木星の月の一つでセイレーン伝説を地で行く。読み疲れた。★★★★☆☆2022/10/07
けいちゃっぷ
31
ノースウェスト・スミスはいつも人間ではない「美女」に関わるハメにになり、常に生命の危機にさらされるが、その超人的な精神力で辛うじて乗り切ってしまう。 巻き込まれ型の主人公なので存在感は薄いし、似たようなパターンになってしまっているきらいはあるが、80年も前にさまざまな美女を考え出してくれたムーアに感謝すべきか。 もっとも、松本零士のイラストがなかったら読む気にもならなかったけど・・・。 236ページ 2018/09/07
拓也 ◆mOrYeBoQbw
31
SF連作短篇。スペースオペラ、ノースウェスト・スミス・シリーズ第二作。松本零次イラストで出版されていたペーパーバックの女流大作家、C.L.ムーアの人気シリーズです。相棒の金星人ヤロールも登場し、熱線銃片手に宇宙を渡り歩く風来坊。1935年に既にスタイルが確立していたのが凄いですね。しかしまだSFもスペオペも黎明期で、ウィアード・テイルズ出身らしい幻想小説らしさと、作中に登場する<ジュリ>、<イヴァラ>と言った妖艶な女神の描かれ方が印象に残ります。現在では早川の『シャンブロウ』が入手可能かと(・ω・)ノシ2016/09/23
白義
14
かつてウィアード・テイルズ誌でコナンシリーズのハワードと人気を争ったという、米国SF・ファンタジー黎明期の天才女流作家ムーアの代表シリーズの二集目。エロティシズムによる自我の崩壊の先にコズミックホラー的な崇高さを描く、いわば官能宇宙神話とでもいうものが冴え渡っていて、パターンは大体決まっているのにこの文章の美しさでいつまでも飽きなく読める。ムーアの描く美女はその妖しい美しさの中に人間とは異質な恐ろしさも同時に描かれることがあるが、本巻表題作のジュリも尖った女性。何せトサカの生えた単眼異次元生命体と来ている2018/03/04