内容説明
二宮と桑原のふたりは、自分たちを嵌めた詐欺師を追って、中国との国境から再び北朝鮮に密入国を企てる。北朝鮮の凄まじい現実と極寒の中、詐欺師を追いこんだふたりだったが、脱出には更なる困難が待っていた―。「疫病神」コンビは、本当の黒幕にたどり着くことができるのか!?圧倒的スケールの傑作。
著者等紹介
黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒業後、高校で美術を教え、86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞し、作家活動に入る。96年、『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞、2014年、『破門』で第151回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
177
男気に溢れた物語でした。桑原に至っては殆どヒーローでした。桑原と二宮、最後までよく頑張ったと思いました。次に会えるのを楽しみにして本書を閉じます。2019/01/13
ナイスネイチャ
170
瞬読でした。やっぱりこのコンビの掛け合いが面白いんだなと。二宮一人だったら味気ないです!それにしてもこれだけ北朝鮮の事を調べるのかと巻末の文献数にビックリしました。2015/07/10
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
123
「どアホ!やくざ者が詐欺に引っかかってそのままってわけにはいかんのや。きっちりケジメつけたる!」ってなわけで、ついには北朝鮮への密入国まで。そして詐欺事件の影にはさらに巨大な黒幕が。ヤクザに政治家、丸暴まで入り乱れての大活劇。今回も二宮は桑原に振り回されっぱなしでしたね。一方、フィクションとはいえ北朝鮮の悲惨な状況は現在もこれに近いものなのだろうなあ。こんな国が目と鼻先にあるとは・・・。文庫本の解説が今は亡き伊織さんというのもうれしかったです。★★★★★ 2014/12/30
koba
117
★★★☆☆2015/03/29
sayan
116
北朝鮮に入国してからの怒涛の展開は、映画を見ているようにリアリティありテンポ良く、非常に面白かった。途中の二宮と桑原のやり取りは上巻以上に絶妙。日本での再開場面は、映画「Deep Blue Sea」の一幕を思い出させる展開。後書きにもあった「国境」をめぐる2人のやりとり。「国境て何?→国と国との境目→一筋の川を挟んでこっちは豚の飼料を食い、あっちは豚の肉を食う→国境は地形や民族で決まらない。その時々の喧嘩の強さで上にも下にもずれる。」リアリティがある本書だがこの箇所の腹落ち感は強烈だ。2017/05/21