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出版社内容情報
嘘と偽りに満ちた、ある老人の一生。稀代の犯罪小説!
内容説明
インターネットを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。お互い高齢の彼らは親睦を深め、共同生活を送ることになる。だがそれはロイによる策略だった。彼はこれまで数々の人間を騙し、陥れてきたベテランの詐欺師だったのである。ロイは悠々とした老後を過ごすべく、ベティの資産を奪い取ろうと着々と計画を進めていくが…。冷酷な犯罪と並行して明らかになっていくロイ自身の秘められた過去。嘘と偽りに満ちたその生涯の奥底にあるものとは―?巧みな心理描写で絶賛された新鋭作家のデビュー長篇。
著者等紹介
サール,ニコラス[サール,ニコラス] [Searle,Nicholas]
英国コーンウォールで生まれ育ち、バース大学及びゲッティンゲン大学で言語学を学ぶ。その後公務員を経て『老いたる詐欺師』で作家デビュー。ヨークシャー在住
真崎義博[マサキヨシヒロ]
1947年生、明治大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
127
裏表紙にある『巧みな心理描写で絶賛された新鋭作家のデビュー作』には少し騙された気もする。老年男女のネットでの出会い。どちらがよりどちらを騙しているのかわからない半分ほどまでは面白い。正体が分かってくるとなかなか複雑な問題をはらみ、これをどうまとめるのかと思っていたら、終わりまでまとまりきっていない気がするのだなあ。訳は非常に読みやすく、この訳者さんはチェックしておこう。2018/01/18
のぶ
72
話の中心となる骨格がはっきりしないので、なかなか物語に集中できない読書となった。老紳士のロイが。インターネットを通じて知り合った未亡人のベティと一緒に暮らすことになる。ロイは詐欺師でベティの財産を奪い取ろうと画策する。ところが内容はどう騙し取るかという事に対しての描写はあまりなく、時代が遡りロイが若い時代からどう生きてきたかにストーリーの多くを割いていた。辛く苦しい時代と本人の生活が現在のロイを作り上げた一人の人生の話と思った方が良かったという印象だった。2018/02/23
キムチ27
45
ハヤカワミステリだから!という期待に些かずれていた感想。ネット偽装恋愛?のなれの果の詐取の手口が殆ど解らず終い。半ばまではグダグダ感拭えず、時間がナチスに据えられ現在に至る究明が重く暗いだけに、ロイの人格が【かくの如くなった】のはボンヤリ分かった。わたし的に老人のコンゲームを想像していたもので、二種のカラーが織りなされた縮図は読み進めにくかった。ベティがしてやったり感100%で語るパートが女性の立場からしたら共感できる。2019/07/18
星落秋風五丈原
34
詐欺師が女性を騙して金を手に入れようとする現在と、彼がなぜこうした経緯に至ったかという過去が交錯。同情でも呼ぶ腹?と思っていたのですがちょっと違ってましたね。ラストはダメ押しの感も。もうちょっと前に筆を置いても良かったと思います。2017/12/06
tom
21
ときどき見かける老人主役のミステリー。ところで、老人ネタの小説なりミステリーは、私が評価すると、80点か20点のどちらかに分かれてしまう。そして、このミステリーは、残念ながら低い方の評価。理由ですけど、要するに、若者には、老人の生きてる世界は、想像できないのですよね。そして、老人は「こんなもの」という勝手なイメージだけで、物語を作ろうとするわけです。その結果、年寄りの私が読むと、何のリアリティもないつまらぬ話になってしまう結果に。年齢差というものは、男女の性差よりも大きいのかもと考えたわけです。2018/02/13