出版社内容情報
金城 一紀[カネシロ カズキ]
著・文・その他
内容説明
「彼女が死んだのは、僕のせいなんだ」親しい人が非業の死を遂げる。そんな数奇な宿命を背負った友人が僕に語ったのは、たった一度の運命の恋の物語だった―(「恋愛小説」)。余命わずかな大学生と友人Kによる復讐劇を描いた「永遠の円環」、脳の疾病を抱えた青年と老弁護士・鳥越が、過去の記憶をたぐりながら旅をする「花」。悲しみに沈む者たちが、対話を通じて光を見出してゆく全3篇。切なくも愛溢れる、珠玉の中篇集。
著者等紹介
金城一紀[カネシロカズキ]
1968年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつばちい
26
一万円選書,2冊目。恋愛小説、永遠の円環、花の3遍からなる短編小説。脳疾患を抱えて仕事を辞めた青年が老弁護士の鹿児島に向かう長距離ドライブのお供をする「花」がよかった。この本は男性の方が好むかもな,と思う。ロマンチックな感じが男性ぽい。2023/05/03
タルシル📖ヨムノスキー
24
いわた書店一万円選書③。シンプルな表紙にまず驚き、なんとも言えないじんわりした読後感にさらに驚く。コロナ禍で誰かと直接会うこともままならないまままもなく2年、しばらく前からコミュニケーションはSNSが中心でこの本のタイトルにある「対話」が減ってしまった現代。自分も人と話すのは苦手だけれど、それでも大切なことはやっぱり直接コトバで伝えないと。いくらLINEが対話形式で簡単にやりとりができると言っても所詮は文字。微妙なニュアンスは伝わらないし、なんだかんだ言ってもやっぱり一方的だと感じるのは年寄りだから?2021/10/03
T
15
いわた書店一万円選書7冊目。大切な女性と死に別れ、死に愛された男たちの物語。対話篇というタイトル通りに、男と男が出会い、人生を語り合い、一期一会、互いの生を確かなものにしていく。三篇どれも印象深い内容だったけれども、一と二はミステリアスな雰囲気に包まれていて、奇妙な夢のよう。三はとてもリアリティのある感動的な美しい物語で特によかった。忘れな草の情景と花言葉がとても美しかった。「その手を離してはいけない」確かにそうだと思った。2023/06/10
ずっか
15
地味なタイトルで初めての人にはどんな話がわからないよ~!でも大好きな本なの!私、何回も読んでいるの! 打ちのめされて生きていくのがやっとの毎日でも、この本を読むと生きていこうって思えるの。愛するっていいなあって思えるの。金城さん大好きです。新刊楽しみにしています!2023/02/21
ぽけっとももんが
7
一万円選書。金城氏は初めて読む。おそらく選書に入ってなかったら手に取らなかっただろう。読み終わって、しばらくしてようやくこのタイトルに気がついた。対話か。とりとめのない3篇はそのテーマか。遅い、遅すぎる自分。タイトルを見て最初対談かと思ったことは岩田氏には秘密にしたい。2022/10/15