Ｈａｙａｋａｗａ ｐｏｃｋｅｔ ｍｙｓｔｅｒｙ ｂｏｏｋｓ 荒野のホームズ

ホッケンスミス，スティーヴ【著】〈Ｈｏｃｋｅｎｓｍｉｔｈ，Ｓｔｅｖｅ〉/日暮 雅通【訳】

早川書房（2008/07発売）

• サイズ 新書判／ページ数 310p／高さ 19cm
• 商品コード 9784150018146
• NDC分類 933
• Cコード C0297

内容説明

洪水で家も家族も失ったおれと兄貴のオールド・レッドは、いまでは西部の牧場を渡り歩く、雇われカウボーイの生活を送っている。だが、ある時めぐりあった一篇の物語『赤毛連盟』が兄貴を変えた。その日から兄貴は論理的推理を武器とする探偵を自認するようになったのだ。そして今、おれたちが雇われた牧場は、どこか怪しげだった。兄貴の探偵の血が騒ぐ。やがて牛の暴走に踏みにじられた死体が見つかると、兄貴の目がキラリと光った…かの名探偵の魂を宿した快男児が、西部の荒野を舞台にくりひろげる名推理。痛快ウェスタン・ミステリ。

著者等紹介

ホッケンスミス，スティーヴ［ホッケンスミス，スティーヴ］［Ｈｏｃｋｅｎｓｍｉｔｈ，Ｓｔｅｖｅ］
１９６８年ケンタッキー州ルイヴィル生まれ。「ハリウッド・レポーター」誌などでジャーナリストとして活躍し、その後ミステリ作家に転身。短篇で評価されたのち、『荒野のホームズ』で長篇デビューをはたした

日暮雅通［ヒグラシマサミチ］
１９５４年生、青山学院大学理工学部卒。英米文芸・ノンフィクション翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ずっきん]

19世紀後半の西部には、字が読めないシャーロキアンの兄と、ワトソンになって支えようという弟のカウボーイの兄弟がいる。兄弟萌え。二作目で面白さ大爆発すると聞いて、まずはと読んでみたが、なんのなんの、こちらもめっぽう面白かった。ホームズが実在の人物という設定がいい。『独身の貴族』とライヘンバッハを知っていればより楽しめる。ホームズに憧れる兄グスタフがもう愛らしくて、いじらしくて、「兄ちゃんっ」って弟と一緒に支えたいわー。いわゆる西部物はあまり読んでこなかったので、吃驚がいっぱいで楽しい。

2019/01/18

[bianca]

関係ないけど最近「ヘイトフル８」を観て（田舎なので今頃…）ワイオミング＆屋外便所などを目の当たりにしたので大変参考になった。本書はワイルドウェストでシャーロックしちゃう熱狂的シャーロッキアンの兄とワトスン役の弟が繰り広げるカウボーイ版。死体など山積みで荒くれ者だらけな土地で敢えて丁寧に犯人探しをする設定と、下品な言葉遣いのカウボーイたちと、牧場経営している英国貴族の対比が面白い。何人か貴族が牧場訪問しているのに、従者がエミリー一人で着替えとかどうすんだろ？と少し余計な心配…。兄弟の今後も気になります。

2016/04/13

[Panzer Leader]

読メのお気に入りさんのお蔭で、これは良い本に出会えた。ホームズに憧れる文盲の兄とワトソン役の弟のカウボーイ兄弟という異色な設定が面白い。「荒野のピンカートン探偵社」や「シスターズ・ブラザーズ」を気に入った人ならはまる事間違いなし。長編５作と短編集が出版されているようだけど日本でも長編３作目以降出して欲しい。シャーロック・ホームズが実在の人物として描かれているのは、いつか両ホームズが出会う物語を作者がアイデアとして持っているからと思うのは考え過ぎか。

2015/07/04

[アキ・ラメーテ＠家捨亭半為飯]

時代は開拓時代のアメリカ、雑誌に載っていたシャーロック・ホームズ譚を聞いて探偵に憧れる文盲の兄、兄のためにホームズを読んでやる弟が執筆者兼ワトソンとなって、雇われた農場での怪しい動きと殺人事件を追う。キャラクター設定がとてもユニーク。カウボーイ探偵って！兄弟のやり取りがとてもいい。

2015/08/23

[M H]

ホームズに憧れる兄ちゃんと図体のでかい弟のカウボーイ兄弟が探偵役の西部劇×ミステリー。なんとなく「シスターズ・ブラザーズ」を思い出したけど、こっちは兄ちゃん兄ちゃんずっとしててかわいい（笑）ちょちょい挟まれる絆エピソードが熱いぜ。事件のほうは、私の頭があれなせいか、登場人物の識別がしづらいとか何が起きたかわかりにくい気がして勢いがつくのは半ばくらいから。なんならもっとイチャついてもいいんですよ！楽しかったから続編も読もうと思う。

2022/03/04