Hayakawa pocket mystery books
紫雲の怪

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  • サイズ 新書判/ページ数 181p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150018092
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

内容説明

西の辺境の地・蘭坊の知事をつとめるディー判事のもとに、またもや奇怪な事件が持ちこまれた。町の郊外にある荒れ寺で、無残に断首された男の死体が発見されたのだ。被害者の男は地元のやくざ者で、境内で寝こんでいた男の友人が捕縛された。だが、やくざ者の喧嘩で断首は不自然ではないか?自ら死体を検分した判事は、首と胴体が別々の人間のものであることを発見する。では、もう一人の被害者は?そして、こんなことをした犯人の目的とは?奇々怪々の状況を、判事の名推理はいかに解き明かすのか…シリーズ中屈指の怪奇色を醸す傑作。

著者等紹介

ヒューリック,ロバート・ファン[ヒューリック,ロバートファン][Gulik,Robert Van]
1910年オランダ生まれ。外交官として、また東洋文化の研究者として、世界的な知名度がある。中国の古典に材を採った『ディー判事シリーズ』は14冊の長篇が発表された。1967年に死去

和爾桃子[ワニモモコ]
慶應義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

63
何気に読んだ作品。ヒューリック氏はお初だし、ディー判事シリーズがあるのを知り驚き。20C初頭、蘭外交官という肩書を推し量るに「とてつもないトリビア」を持たれた方かと、そちらの方が気になる。内容はネットに溢れる中国伝奇の王道。ぬらぬらと血で染まる首は定番のアイコン。ブスでデブは登場せず、柳腰の楚々たる麗人、筋肉隆々、つるつる頭、銅色肉体美もお馴染み。この判事、7C唐の時代の実在だとか。フセインも愛欲小説を書いたらしいけれど、外交官で14冊ものシリーズを世に出すとはなかなかのお方。2022/05/15

tom

14
シリーズの中では、奇妙に面白くない一冊。ちょっと残念本。つらつら思うけれど、いつもながらの狄知事の仏教批判は辛辣。仏教指導者たちの酒池肉林、陰謀画策、対する儒教の高邁さ。よくは分からないけれど、仏教というのは、すぐに金に堕するものなのか。2018/12/29

紅はこべ

11
本作で気に入ったのは、ディー判事が7枚の札を用いて推理を語る場面。ディー判事版多重解決。2008/06/15

spica015

7
赴任地の寺で発見された首と胴体が別々の死体。謎の殺人事件に狄判事が解決に乗り出す。相変わらず不可思議な謎のわりに驚くようなトリックがあるわけでもなく、不気味さに満ちているわけでもない。逆に狄判事や馬栄たちにキャラクターが健全なので、寧ろ読んでいて楽しい。当時の中国は儒教が中心なので仏教がマイナーなのはわかるが、密教に対する風当たりがけっこうきつい。登場シーンは少ないけれど、狄判事の三人の夫人がいい人ばかりで、和んでしまう。しかし馬栄も言っているけれど、やっぱり喬泰の兄貴がいないとつまらない!2019/08/11

ナナ

3
めずらしくテンポの良い展開で、楽しく読めました。今回の舞台はまた蘭坊、西域の影響を強く受ける町です。狄知事は徹底して西域の文化や宗教をいかがわしいだの邪教だの言って嫌いますが、作品を通してその西域の雰囲気が盛り上げてくれています。ただ、今回も事件の裏には時代に翻弄された男女がいて、いつもながら物悲しい気分になりました。2014/09/03

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