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内容説明
「ひい、ふう、みい。ひとりは寝床をなくし、ひとりは片目をなくし、最後のひとりは頭をなくす」疫病が蔓延し、人影もまばらになった都に、奇妙な歌が流行る。その歌に符合するように、都の代表的な旧家で惨劇が続いた。豪商のメイが深夜階段から転落して死に、郡公を称するイーも何者かに殺害される。都の留守を預かるディー刑事は人心を不安に陥れる事件の捜査を開始した。だが、食糧不足、治安の悪化、天候の不順に悩まされ、三人の副官たちも手一杯のありさま。民衆暴動の危機にも直面しつつ、はたして事件を解決に導くことが出来るのか。
著者等紹介
ヒューリック,ロバート・ファン[ヒューリック,ロバートファン][Gulik,Robert Van]
1910年オランダ生まれ。在日大使などを歴任した外交官であり、同時に東洋研究者としても知られる。また、ディー判事シリーズで、作家として世界中にファンを持っている。1967年東京にて死去
和爾桃子[ワニモモコ]
慶応義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
17
このシリーズ、残り一冊となってしまった。今回は、大出世した主人公が、疫病大流行の大都市で、殺人犯を探すというストーリー。背景は、仰々しい。でも、文句を言ってしまうと、このシリーズ、終わりに近づくにつれて、面白さが値切られてしまう。そして、この本は、シリーズ中、面白くないことのベスト3。タラタラト読了。つまらぬ蛇足だけど、ここ何冊か、鞭で打たれて殺される可哀想な被害者がかならず登場。著者の好みなのだろうけど、何だかねえ。2019/02/03
spica015
6
疫病に侵された都を預かる狄判事。歌の通りに殺されてゆく地元の名士や怪しげな双子姉妹など、物語を養成する要素は面白いが、なんとなくこぢんまりした印象。とはいえアクションシーンや見せ場はたっぷりで、映像化したら面白そう。中国の歴史ドラマにこのシリーズが加えられてもおかしくはない。何はともあれ馬栄良かったな…と思えるラストになっている。2018/12/29
おふねやぎっちらこ
2
1965年の作品だが、古代中国を舞台にした最近の作品だと言われても信じてしまうほど、なんか今の新本格作家が書いたみたいに感じた。これ面白いのでシリーズで読みたいな。2024/01/10
鵞鳥
1
人って憐れまれるのが、一番堪えるのねー2019/04/11
ナナ
1
舞台は都、狄判事は大理寺長官とこれまでの作品とは少し違います。展開は違わないですけどね。ここまでずっと読んできて、パターンが読めてきたのであまり驚く部分はありません。ただこの作品、映像で観たら面白そうだなーと思いました。マーク主演第2弾にどうでしょう?派手なアクション映画にしないで心理サスペンスに徹する作品で。美人姉妹の姉が雑技で妹が歌舞とか、父親の怪しげな人形劇とか、旧家の隠された秘密とか、こうやって書いているとありゃりゃ、金田一耕助作品みたいになってきた(笑)2014/07/05