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内容説明
第一次世界大戦後のロンドン。十二月のとある夕方、失業中の私はピカディリーサーカスに佇み、空腹と寒さで途方に暮れていた。全財産の半クラウン貨一枚を半ば自暴自棄になって散髪代に使うことにした私が、理髪店で邂逅したのは、十四年以上探し求めてきた絆―稀代の脅迫者ペンジェリーだった…。暗く不安な世相を映したピカディリーサーカスを舞台に、偶然の再会から忌わしい過去の事件が新たな悲劇を引き起こす―江戸川乱歩が絶賛した「銀の仮面」の著者が、善と悪、理想と現実、正気と狂気の間で揺れる人間を描いた傑作サスペンス。
著者等紹介
ウォルポール,ヒュー[ウォルポール,ヒュー][Walpole,Hugh]
1884年ニュージーランド生まれ。5歳のとき渡英。ケンブリッジ大学に学び、教職を経て専業作家となる。『ヘリス年代記』など数多くの長短篇や戯曲を物した。1937年ナイト爵叙勲。1941年没
澄木柚[スミキユズ]
藤女子短期大学英文科卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
29
原題はAbove the Dark Circus。ロンドン、ピカデリー・サーカスが頻繁に登場するのでCircusは場所を指すようにも見えるが、シェイクスピアの「人生は舞台」という台詞を想起すると、Circusのもともとの意味=バカ騒ぎを指すようでもある。オズマンドやペンジェリーのごたごたは当人たちにとっては一大事かもしれないが、実は世の中という大きな広場で繰り広げられるバカ騒ぎの一つに過ぎないというペシミズムを感じる。2022/01/24
本木英朗
14
イギリスの作家、ヒュー・ウォルポールはミステリの10作ほど書いているが、その中でもこの『暗い広場の上で』は、長編の中で1位との呼ばれる作品である。俺は2003年に一度買って読んだっきりだったので、今回が2回目だ。しかし今回は途中からもう駄目だと思ったよ。まあ最後まで読んだけど、ちょっとねえ。また10年くらいしたら読もう。2019/08/18
mejiro
2
蝋燭とネオンの明かり、寒さと陰影のイメージ。話の舞台、内容も時代を感じさせる。2014/03/03
もっち
1
確かに非常に演劇的で、あるいはそれ故にひどく現実的な、嵐のような一夜だった ヘレンとオズマンドの関係が何より堪えたという気がする あと倉阪鬼一郎の解説も筆が乗っていておもしろかった2016/07/16
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