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内容説明
雪に埋もれた山荘で、今しも奇妙な降霊会が行われようとしていた。十四年前に雪山で行方不明になった伐採業者デザナの霊を呼び出して遺志を聞き、伐採事業を巡る争いに決着をつけようというのだ。集まった関係者が半信半疑の面持ちでテーブルにつくと、突如デザナの亡霊が出現。未亡人のアイリーンを口汚く罵ると、何処ともなく消え去った。さらにその晩、アイリーンが密室状態の部屋で頭を斧で割られて死んでいるのが発見され、事件は混迷の様相を…不可能犯罪の連続技と全篇に横溢する怪奇趣味。本格ファン、狂喜乱舞の幻の名作が遂に登場。
著者等紹介
タルボット,ヘイク[Talbot,Hake]
1900年生まれ。長編はThe Hangman’s Handyman(1942)と本書のみだが、「カーの雰囲気作りのうまさに、ロースンの手品趣味を取り入れた40年代最高の密室作家」と評される。1986年没
小倉多加志[オグラタカシ]
1934年京都大学英文科卒、1991年没。英米文学翻訳家。訳書に「レッド・ドラゴン」トマス・ハリス、「愛の探偵たち」アガサ・クリスティ、「火刑法廷」ディクスン・カー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
36
「密室長篇ミステリ歴代第2位!」と、オビにあるのですが、残念ながら謎の解明は、溜飲を下げるほどには至りませんでした。前半の降霊会の雰囲気は、いかにもそれらしい。雪の山荘ものですが、果たして「密室もの」なのか。情景描写が少なく、登場人物があれこれ推理を試みる場面が多くて、果たして誰が本当の探偵役をやってくれるのか、謎は解明できるのか、やきもきさせられました。2017/02/21
紅はこべ
31
密室ものの古典とされているが、正確には雪の上の足跡もの、木の葉を隠すなら森の中ものかな。トリックそのものはどれをとっても大したことはない。それよりも名探偵候補の三人の人類学者、霊媒のインチキを暴くのを生業としている人、賭博師、つまり論理的思考の訓練を受けた人、小手先のトリックを見破れる人、人間の心理を読むのに長けている人が、目にした超常現象について議論を戦わせるところが読みどころでした。小説としては、やや読みにくかったかな。2010/01/11
ホームズ
24
歴代密室ミステリの中で『三つの棺』続いて2位ということですが正直密室のトリックとしては微妙なのでは・・・。あまり好みの感じではなかった。『三つの棺』も好きではあるけど色々突っ込みどころはあるし(笑)最後の会話の所は解説にもあるけど面白い展開ではあると思います。2013/02/27
みっぴー
18
雪密室ものです。冬の山荘で交霊会が行われ、霊媒の女性が亡くなった元旦那を呼び出した。その後女性は斧で頭を割られて殺されてしまった。部屋は密室状態で犯人は窓から脱出したと思われたが、雪の上に残された足跡を検証してみると、どうやら犯人は空を飛べるらしい。それ以降森の中では空を飛ぶ人間の影が目撃され…有名な雪密室らしいのですが、殺人が起きるまでが長すぎてちょっと飽きてしまいました。トリックも特段驚くものではなく、ふーんといった感じです。好き嫌い分かれると思いますが、雪密室マニアは是非挑戦していただきたいです。2015/07/16
星落秋風五丈原
16
私もやはり読メメンバーズ同様解説が煽りすぎではと思いますね。2022/10/12