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内容説明
路地から表通りに突き出ている足は、オズの国で家の下から出ている“東の魔女”の足そっくりだ。だが、そこはオズではないし、倒れている女性も魔女じゃない。エマの体を汗が流れる。背中に小さな穴を開けられて横たわる女と、エマは2週間前にレストランで出会ったばかりだった…。殺されたジュリー・アービダーは、勤務する倉庫会社で過激な組合運動を行っていた。組合つぶしを画策していたらしい経営者側に消されたのだろうか。が、ふとしたことからボストンの社交界に足を踏み入れたエマの調査は、思わぬ展開を見せはじめた…!スペンサーの街ボストンに、話題のヒロイン登場。ハードボイルド界に大きな衝撃を与えた、レズビアンの女探偵エマ・ヴィクター・シリーズ第1弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みはいっち
1
主人公は女性のための電話相談サービスの相談員でレズビアンのエマ。自分に助けを求めてかかってきた電話によって殺人事件に巻き込まれてしまう。自分を必要としてくれたのに助けられなかったことに責任を感じ、調査を始めるエマ。事件の裏にある事情が酷い。新しく付き合い始めた恋人との細かいやり取りや距離感の描写が良かった。復縁を迫ってくる元恋人との会話も面白い。2009/12/23
きうりっち
0
筋自体は単純で電話相談員をしている女性が偶然殺人事件にでくわし、独力で犯人を探しだすというだけのこと。 ただ、ヒロインもその他の人物も言ってることが分かりにくくて、どういう意味なんだろうと考え込んだりした。あまり面白いとは思えない。ヒロインに気持ちが寄り添っていかない。シリーズで出版されているらしいが、日本では人気がでなかったんだろう。その後の翻訳はないようだ。私も続けて読みたいとは思わない。 人工的に受胎させる技術というのはこの頃からアメリカでは一般的になっていたのだろうか?そっちに興味が湧いた。2015/01/19
パリスお布団
0
私のGaydarに狂いがなければ作者ウィングズ氏もヘテロには見えん、この説得力。全体に行き渡っているミサンドリーな雰囲気と、女同士だけで生殖できるようになる未来を担うマッドサイエンティストが金持ち爺のせいで死ぬ羽目になるオチは皮肉なものよ。訳者あとがきには「レズであることをことさらに意識しない方が、エマの魅力により深く触れ」られるとあるけど、同性愛をテーマにした作品に同性愛者じゃない俳優や関係者がコメントするときの姿勢ってこの時代から変わんねえんだな。2024/07/04